【ニュース振り返り】日本感染症学会、新型コロナウイルスの抗ウイルス薬投与について指針を公表―2020年2月後半のニュース3選

ココメディカマガジン編集部が気になる医療・介護業界のニュースをピックアップする「ニュース振り返り」。2月後半は、新型コロナウイルスについてのニュースをまとめてご紹介。日本感染症学会が抗ウイルス薬投与についての指針を示したほか、介護施設での留意事項が発出されるなど、情勢が日々変化しています。それでは早速振り返りましょう!

日本感染症学会、新型コロナウイルスの抗ウイルス薬投与について指針を公表(2/26)

日本感染症学会は、26日、「COVID-19に対する抗ウイルス薬による治療の考え方 第1版」を公表。
新型コロナウイルスへの抗ウイルス薬投与について、指針を示しました。  

今回公表された指針は、現時点では新型コロナウイルス(COVID-19)の抗ウイルス薬による治療に関する知見は限られているものの、過去に重症急性呼吸器症候群(SARS)、中東呼吸器症候群(MERS)患者に対して既存の抗ウイルス薬が使用されたことを踏まえて、暫定的に作られた指針となっています。
今後、新たに治療に関する重要な知見が出た際には、改訂を予定しているとのことです。

 

抗ウイルス薬を開始するタイミングについては、患者が低酸素血症を発症し、酸素投与が必要であることを必要条件とした上で、50歳以上の患者と、糖尿病・心血管疾患・慢性肺疾患、喫煙による慢性閉塞性肺疾患、免疫抑制状態などの持病がある患者については、重篤な呼吸不全を起こす可能性が高く、死亡率も高いため、酸素投与が必要になった段階で、投与を検討するように求めています。

 

また、50歳未満の患者については、自然経過の中で治癒する例も多いため、経過観察しても良いとのことですが、年齢にかかわらず、酸素投与と対症療法だけでは呼吸不全が悪化傾向にある例では抗ウイルス薬の投与を検討するとしています。

 

投与する薬剤については、HIVウイルスの抗ウイルス薬として用いられているロピナビル・リトナビル(商品名:カレトラ)と、新型・再興型インフルエンザウイルス感染症に有効なファビピラビル(商品名:アビガン)の2種が示されました。

 

また、効果や併用効果について、今後得られる知見次第で治療に使用できる可能性がある薬剤として、レムデシビル、インターフェロン、クロロキンなどが挙げられています。

日本感染症学会:COVID-19に対する抗ウイルス薬による治療の考え方 第1版

http://www.kansensho.or.jp/uploads/files/topics/2019ncov/covid19_antiviral_drug_200227.pdf

介護職員、37.5℃以上の発熱なら出勤不可。新型コロナウイルス対策、通知発出(2/24)

厚生労働省は、24日、介護施設の利用者の新型コロナウイルス感染対策についての留意事項をまとめた通知を発出しました。職員向け、利用者向けのそれぞれをご紹介します。

<職員> 

※職員:利用者に直接サービスを提供する職員だけでなく、事務職や送迎を行う職員等、当該事業所の全ての職員やボランティア等を含む。

 

  • 出勤前に体温を計測し、37.5 度以上の発熱が認められる場合には、出勤を行わないことを徹底する。過去に発熱が認められた場合にあっては、解熱後24時間以上が経過し、呼吸器症状が改善傾向となるまでは出勤しない。 
  • 委託業者等についても、物品の受け渡し等は玄関など施設の限られた場所で行うことが望ましく、施設内に立ち入る場合については、体温を計測してもらい、発熱が認められる場合には入館を断ること。
  • 施設入居・居住系サービスでの、家族などによる面会については、感染経路の遮断という観点で言えば、可能な限り、緊急やむを得ない場合を除き、制限することが望ましい。少なくとも、面会者に対して、体温を計測してもらい、発熱が認められる場合には面会をお断りする。

 

<利用者>

(1)施設入居・居住系サービス系:

  • 高齢者、基礎疾患(糖尿病、心不全、呼吸器疾患)を抱える者、または妊婦については、37.5 度以上、または呼吸器症状が2日以上続いた場合(これら以外の者については、37.5 度以上、または呼吸器症状が4日以上続いた場合)には、保健所等に設置されている「帰国者・接触者相談センター(以下、相談窓口)」に電話連絡し、指示を受けること。

 

  • 症状が継続している場合や、医療機関受診後、診断結果の確定までの間については、「高齢者介護施設における感染対策マニュアル(改訂版)」のインフルエンザでの対応を参考としつつ、疑いがある利用者を原則個室に移す、個室が足りない場合については同じ症状の人を同室とする、疑いのある利用者にケアや処置をする場合には、職員はサージカルマスクを着用するといった対策を講じ、感染拡大防止を行う。

 

  • 疑いがある利用者とその他の利用者の介護等に当たっては、可能な限り、担当職員を分けて対応すること。

 

(2)施設入所・居住系サービス以外:

【短期・通所】

  • 送迎車に乗る前に、本人・家族または職員が本人の体温を計測し、37.5度以上の発熱が認められる場合には、利用をお断りする。過去に発熱が認められた場合にあっては、解熱後 24 時間以上が経過し、呼吸器症状が改善傾向となるまでは同様の取扱いとする。
  • 発熱により利用を断った利用者については、施設から当該利用者を担当する居宅介護支援事業所に情報提供し、必要に応じ、訪問介護等の提供を検討する。

 

【訪問介護】

利用者本人・家族又は職員が、利用者の体温を可能な限り事前に計測し、37.5度以上の発熱が認められる場合には、相談窓口への相談や、医療機関の受診を促すとともに、以下の点に留意し、サービスを提供すること。

 

  • サービスを行う事業者等は、居宅介護支援事業所等と連携し、サービスの必要性を再度検討の上、感染防止策を徹底させてサービスの提供を継続すること。
  • 基礎疾患を有する者及び妊婦等は、感染した際に重篤化するおそれが高いため、勤務上の配慮を行うこと。
  • サービスの提供に当たっては、サービス提供前後における手洗いやうがい、マスクの着用、エプロンの着用、必要時の手袋の着用、咳エチケットの徹底を行うと同時に、事業所内でもマスクを着用する等、感染機会を減らすための工夫を行うこと。

厚生労働省:令和2年2月24日付事務連絡「社会福祉施設等(入所施設・居住系サービスに限る。)における感染拡大防止のための留意点について」

https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000599388.pdf

厚生労働省:令和2年2月24日付事務連絡「社会福祉施設等(入所施設・居住系サービスを除く。)における感染拡大防止のための留意点について」

https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000599389.pdf

 

WHO、新型コロナウイルスの危険性、最高レベルに引き上げ(2/28)

世界保健機関(WHO)は、28日、世界中で流行している新型コロナウイルスによる感染症について、危険性レベルを最高レベルの『非常に高い(Very High)』に引き上げたことを明らかにしました。

新型コロナウイルスによる肺炎の感染者数は全世界で83,652人(うち中国:78,961人)で、50カ国・地域で感染が報告されています。

 

27日までの統計で、患者数が最も多いのは中国の78,961人で、死者数は2,791人にのぼります。
ただし、27日に新たに感染が確認されたのは331人と、過去1か月間で最も少ない報告数となりました。

 

一方、新たに感染が確認されたのは、デンマーク、エストニア、リトアニア、オランダ、ナイジェリアで、全てイタリアから流入したと推測されています。
イタリアについては、患者数が前日比250人増の650人となるなど感染が拡大しており、14カ国・24症例に関連性があるとのことです。

 

また、同様に感染が拡大するイランの患者数は、前日比104人増の245人で、11カ国・97症例がイランと関連があることが明らかになっています。
イランについては他の地域と比較して致死率が高く、死者数は26人と報告されています。

 

この状況を鑑み、外務省は、新型コロナウイルスによる感染症の拡大が報告されているイタリア北部3州、韓国全土、イラン全土の感染症危険情報を発出。危険レベルを引き上げて、注意喚起しています。

World Health Organization: Coronavirus disease 2019 (COVID-19) Situation Report – 39

https://www.who.int/docs/default-source/coronaviruse/situation-reports/20200228-sitrep-39-covid-19.pdf?sfvrsn=aa1b80a7_4

外務省:海外安全ホームページ

https://www.anzen.mofa.go.jp/

 

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