【ニュース振り返り】新型コロナウイルス対策、慢性疾患の患者へのオンライン診療が可能に―2020年3月前半のニュース3選

ココメディカマガジン編集部が気になる医療・介護業界のニュースをピックアップする「ニュース振り返り」。3月前半は、新型コロナウイルス対策として、慢性疾患の定期受診の場合、オンライン診療を認める方針が示されました。また、介護事業所では、深刻なマスク、消毒用アルコール不足の実態が浮き彫りに。それでは早速振り返りましょう!

新型コロナウイルス対策、慢性疾患の患者へのオンライン診療が可能に-感染疑いありの場合は対面診療で(2/28

厚生労働省は、228日、新型コロナウイルスの感染予防のため、既に診断済みの慢性疾患の定期受診の場合、電話や情報通信機器による診療(オンライン診療)による医薬品処方を認める方針を示しました。
糖尿病や
COPDなどの基礎疾患がある患者が、新型コロナウイルスに感染した場合、症状が重篤化しやすいことが明らかになっており、医療機関受診時の感染リスクを減らすための対応策となります。

政府は、25日に「新型コロナウイルス感染症対策の基本方針」を公表。
感染予防のために、風邪症状がない高齢者や基礎疾患のある患者に対する継続的な医療・投薬などについては、電話による診療などにより処方せんを発行するなど、極力、医療機関を受診しなくてもよい体制を構築する方針を示しています。

今回発出された通知は、この基本方針をより具体的にしたものとなっています。
慢性疾患などによる定期受診が必要な患者について、長期投与によって受診間隔を空けることを原則としたうえで、既に診断済みであれば、これまで処方していた医薬品と同じものをオンライン診療によって処方してもよいことが明確になりました。

処方せんについては、患者の希望する薬局に、医療機関から処方せん情報をファックスなどで送付し調剤することが原則となっていますが、例外的に患者自身が送付することも可能となっています。

また、通常、オンライン診療を行う場合、事前に診療計画を作成する必要がありますが、緊急性が高い今回の事例については、事前に作成していなくても差し支えないことが明言されました。

ただし、新型コロナウイルスへの感染が疑われる患者については、「視診」や「問診」だけでは診断や重症度の評価が困難であり、重症化のおそれもあることから、対面による診療が必要とのことです。

厚生労働省:2020228日付事務連絡「新型コロナウイルス感染症患者の増加に際しての電話や情報通信機器を用いた診療や処方箋の取扱いについて」
https://www.mhlw.go.jp/content/10803000/000606486.pdf

 

介護事業者の9割でマスクが不足!3割は消毒用アルコールの在庫ゼロ-全国介護事業者連盟、調査結果より(3/5

全国介護事業者連盟は5日、介護事業者のマスク、消毒用アルコールなどの衛生用品の確保状況についての全国調査の結果を公表しました。
マスクについては約
9割の事業所が必要量を確保できておらず、消毒液については在庫ゼロの事業所が3割弱を占めるなど、深刻な状況が明らかになりました。

今回の調査は、33日、4日に実施されたもので、全国の特養、通所介護、訪問介護事業者など1,610事業所(利用者数:96,850人)が回答しています。

マスクの在庫については、約9割の事業所が3月分の使用量が確保できておらず、特に通所介護での在庫がひっ迫していることが明らかに。
そして、消毒用アルコールに至っては
3割弱の事業所で、現段階で在庫が全くないことがわかりました。
使い捨て手袋についても、
1か月分の必要量を確保している事業所は3割程度に留まっています。
これら以外にも、トイレットペーパー、ペーパータオル、ティッシュペーパーについて、過半数の事業所が入手困難であると回答しています。

納品状況については、マスク、消毒用アルコール、使い捨て手袋のいずれにおいても、直近1週間で業者からの納品がないと回答した事業所が8割程度を占め、納品見込みもない事業所が多いとのことです。

全国介護事業者連盟は、要介護高齢者は新型コロナウイルス感染症による重症化のリスクが高いことから、利用者、職員の感染症対策のために、早急な物資の確保と、自治体などを通した優先的な供給を訴えています。

一般社団法人全国介護事業者連盟:全国介護事業者連盟は、新型コロナウイルス感染症に係るマスク等の衛生用品不足について『緊急調査』結果を公表いたしました。
http://kaiziren.or.jp/wp/wp-content/uploads/2020/03/press20200305.pdf

後期高齢者の64%が5種類以上の薬を服用-都健康長寿医療センター調査結果(3/5

東京都健康長寿医療センター研究所の石崎達郎研究部長らの研究グループは、5日、東京都に住む75歳以上の高齢者(後期高齢者)の、外来診療での医薬品処方の実態について、研究結果を公表しました。
後期高齢者のうち、
5種類以上の処方があったのは64.0%で、多剤服用が多数を占める実態が明らかになりました。

今回の調査では、東京都の75歳以上の高齢者(100万人分)のレセプトデータを活用し、処方された薬剤数、処方状況、処方パターンなどが解析されました。

処方されている薬剤数の平均は6.4種類で、64.0%が5種類以上の処方があったことがわかりました。
多剤服用になりやすい薬剤の種類については、鎮痛薬、利尿薬、抗不安薬・睡眠薬、骨粗鬆症治療薬、抗糖尿病薬が挙げられます。
なお、処方されている薬剤で最も多いのは降圧薬の
66.5%で、睡眠薬・抗不安薬は 28.8%でした。

そして、国内の研究では初めて「薬剤の併用パターン」として、次の5パターンが提示されました。
併用パターンの把握により、同時に処方されている可能性が高い薬剤を予測することができ、ポリファーマシーのリスクを抱えた患者を見つけやすくなります。

<薬剤の併用パターン>

利尿薬・抗凝固薬・尿酸低下薬・鉄剤

抗うつ薬・抗不安薬や睡眠薬・抗精神病薬

骨粗鬆症治療薬・鎮痛薬・胃酸分泌抑制薬

抗血小板薬・脂質低下薬・降圧薬・抗糖尿病薬

抗認知症薬・抗精神病薬

高齢者の処方状況については、受診している全ての医療機関を確認する必要があるため、把握が困難であることが課題といわれていました。今回の調査で併用パターンが明らかになったことにより、多剤処方によるハイリスク者を効率的に抽出できるようになると石崎研究グループはまとめています。

地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター:202035日付プレスリリース「100 万人のレセプト情報から解明:東京都の75歳以上高齢者の6割超が5種類以上の薬剤を内服」
https://www.tmghig.jp/research/release/cms_upload/pressrelease0305-2.pdf

 

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