【ニュース振り返り】全国初!ケアラー・ヤングケアラーの支援条例、埼玉県で成立―2020年3月後半のニュース3選

ココメディカマガジン編集部が気になる医療・介護業界のニュースをピックアップする「ニュース振り返り」。3月後半は、新型コロナウイルスの無症状・軽症の患者が自宅療養する場合、オンライン診療による処方認める方針が追加で示されました。また、ケアラー・ヤングケアラーを支援する全国初の条例が埼玉県で成立しました。早速振り返りましょう!

(注意)本記事の内容は2020年3月時点の内容で作成しています。45日時点で、厚労省は初診からオンライン診療を解禁する旨を明らかにしており、今後の動向に注意する必要があります。

新型コロナウイルス、在宅で経過観察中の軽症患者にオンライン診療可能に(3/19

厚生労働省は、19日、新型コロナウイルス感染症の流行が拡大した場合、無症状または軽症で、在宅での経過観察が必要な患者について、電話や情報通信機器を用いた相談・診療(オンライン診療)による処方を認める方針を示しました。
228日に発出された事務連絡の適用範囲を拡大させたもので、特例的な扱いとなります。

(注意)本記事の内容は2020年3月時点の内容で作成しています。45日時点で、厚労省は初診からオンライン診療を解禁する旨を明らかにしており、今後の動向に注意する必要があります。

228日の事務連絡では、慢性疾患患者の定期検診について、医療機関での感染拡大を防ぐため、既に処方されている薬剤であれば、事前に診療計画を作成していなくても、オンライン診療での処方を認める方針が示されました。
ただし、新型コロナウイルスへの感染が疑われる場合については、視診や問診だけでは正確な診断や重症度の評価が困難であることから、対面診療を行う必要があることが明示されました。

そして、19日に新たに発出された事務連絡では、慢性疾患患者に新たな薬剤を処方する場合であっても条件を満たせば、オンライン診療を利用することが可能となりました。
また、新型コロナウイルスについては、
PCR検査で陽性と診断された場合でも、感染拡大によって、無症状や軽症の患者が自宅待機による経過観察が必要となった際には、オンライン診療による処方が特例として認められることとなりました。

 

それぞれの要件を見てみましょう。

まず、慢性疾患患者の定期診断で新たな薬剤の処方することが認められるのは、かかりつけ医が感染予防の観点や患者の疾患の状態から、オンライン診療が必要と判断した場合に限り、原疾患によって発症が予測できる症状の変化が現れた場合である必要があります。

その上で、 既に当該患者に対して定期的なオンライン診療を行っている場合、② これまで当該患者に対して定期的なオンライン診療を行っていない場合とで、次の要件が設けられています。

<慢性疾患等の定期受診患者に対して、これまでに処方していない薬剤のオンライン処方が認められる場合>

既に当該患者に対して定期的なオンライン診療を行っている場合

オンライン診療を行う前に作成していた診療計画に、発症が容易に予測される症状の変化を新たに追記するとともに、当該診療計画の変更について患者の合意を得ておくこと。

これまで当該患者に対して定期的なオンライン診療を行っていない場合

電話や情報通信機器を用いた診療により生じるおそれのある不利益、発症が容易に予測される症状の変化、処方する医薬品等について、患者に説明し、合意を得ておくこと。
また、その説明内容について診療録に記載すること。

続いて、新型コロナウイルスの無症状・軽症の患者については、高齢者や基礎疾患を持つなどのリスクがない場合、感染拡大し、入院での対応が困難になったときには、PCR 検査の結果が陽性であっても、在宅で経過観察となることが想定されていると明記。
その場合、新型コロナウイルスによる感染を診断した医師が、かかりつけ医に情報提供し、発症が容易に予測される症状の変化に対して、オンライン診療によって必要な薬剤を処方して差し支えないとしています。

厚生労働省:2020319日付事務連絡「新型コロナウイルスの感染拡大防止策としての電話や情報通信機器を用いた診療等の臨時的・特例的な取扱いについて」
https://www.mhlw.go.jp/content/000611278.pdf

全国初!ケアラー支援条例、埼玉県で成立(3/27

埼玉県は、27日、家族などの介護に無償で取り組むケアラーを支援する条例を制定しました。
ケアラーを支援する条約が成立したのは、全国初の事例となります。

条例では、「ケアラー」を「高齢、身体上又は精神上の障害又は疾病等により援助を必要とする親族、友人その他の身近な人に対して、無償で介護、看護、日常生活上の世話その他の援助を提供する者」、加えて「ヤングケアラー」を「ケアラーのうち、十八歳未満の者」と定義。
全てのケアラーが個人として尊重され、健康で文化的な生活を営むことができるように、またケアラーが孤立することのないように、社会全体で支えることを基本理念としています。
ヤングケアラーについては、適切な教育の機会を確保し、心身の健やかな成長と発達、自立が図られるよう支援する、としています。

具体的には、ケアラーの支援について基本方針と具体的施策を盛り込んだ、「推進計画」を策定するほか、広報活動、啓蒙活動の実施、ケアラー支援を担う人材の育成を行うとのことです。

がん5年生存率、68.4%に国立がん研究センター、調査結果公表(3/17

国立がん研究センター(国がん)は、がんの部位別5年生存率、10年生存率について、最新の統計結果を公表しました。
全がんの
5年相対生存率は68.4%(前回:20082010年症例 67.9%)、10年相対生存率は57.2%(前回:20022005年症例 56.4%)で、どちらも微増する結果となりました。
ただし、国がんによると、臨床的に意味のある変化ではないとのことで、長期的な変化を確認する必要があります。

今回の結果は、5年生存率については、2009年から2011年に診断治療を行った142,947症例を、10年生存率については、2003年から2006年に診断治療を行った80,708症例を基に集計されました。
それぞれ詳しく見てみましょう。

まずは5年相対生存率です。全部位全臨床病期の5年相対生存率(全症例)は 68.4%で、初回調査時(1997年から1999年)の 61.8%と比較し、改善傾向がみられます。

部位ごとの生存率は次の通りです。多くの部位で上昇していますが、低下している部位もあり、いずれも臨床的に意味のある変化はないとのことです。

 

5年相対生存率(部位別、全臨床病期)>※22種を算出

90%以上 前立腺(100%)、乳(女)(93.7%)、甲状腺(92.4%)

70%以上 90%未満 子宮体(86.4%)、大腸(76.8%)、子宮頸(76.8%)、胃(74.9%)など

50%以上 70%未満 腎臓など(69.4%)、膀胱(69.0%)、卵巣(66.2%)

30%以上 50%未満 食道(46.0%)、肺(45.2%)、肝(37.0%)

30%未満 胆のう胆道(28.6%)、膵(9.9%)

 

続いて、10年生存率です。全部位全臨床病期の10年相対生存率(全症例)は57.2%でした。

部位ごとの生存率は以下の通りとなります。なお、こちらについても、多くの部位で上昇していますが、低下している部位もあり、いずれも臨床的に意味のある変化はないとのことです。

 

10年相対生存率(部位別、全臨床病期)>※18種を算出

90%以上 前立腺(97.8%)

70%以上 90%未満 乳(85.9%)、甲状腺(84.1%)、子宮体(81.2%)

50%以上 70%未満 子宮頸(68.8%)、大腸(67.8%)、胃(65.3%)、腎など(64.0%)など

30%以上 50%未満 卵巣(45.3%)、肺(30.9%)、食道(30.9%)

30%未満 胆のう胆道(18.0%)、肝(15.6%)、膵(5.3%)

また、病期別の結果については、5年生存率、10年生存率とも早期に適切な治療を受けた場合、生存率が上昇することがデータ上で明らかになっています。
検診などで早期発見、治療を行うことが大切であることが今回の結果からも伺えます。

国立研究開発法人国立がん研究センター:全がん協加盟がん専門診療施設の診断治療症例について5年生存率、10年生存率データ更新、グラフデータベースKapWeb更新https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2020/0317/index.html

 

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