【ニュース振り返り】新型コロナ、診療の手引き改訂-2020年5月のニュース5選

ココメディカマガジン編集部が気になる医療・介護業界のニュースをピックアップする「ニュース振り返り」。今回は、5月のニュースをまとめてご紹介します。新型コロナウイルス感染症の診療ガイドラインが改訂されたほか、日本初の新型コロナウイルス感染症の治療薬「レムデシビル」が承認されました。医療従事者、介護従事者に向けた慰労金の給付についても明らかに。早速振り返りましょう!

新型コロナウイルス感染症、診療の手引き改定-血栓症、重症度分類など追加(5/18)

厚生労働省は18日、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第2版」を発出しました。
3月に公開された手引きの改訂版で、合併症として血栓症の記載が追記されるなど、最新の知見が反映されたものとなります。

改訂事項をいくつかご紹介します。

まず、新型コロナウイルス感染症の「重症化マーカー」として、次の6項目が新たに盛り込まれました。
血栓の形成を診断する指標「
Dダイマー」も盛り込まれています。
ただし、全体的な臨床像による判断を重視すべきで、臨床判断の一部として活用する必要があるとのことです。

重症化マーカー

1. Dダイマーの上昇

2. CRPの上昇

3. LDHの上昇

4. フェリチンの上昇

5. リンパ球の低下

6. クレアチニンの上昇

また、新型コロナウイルス感染症の重症者に血栓症を併発する傾向がみられることから、合併症として、血栓症に関する記述が盛り込まれたほか、小児では川崎病に似た症状が現れることがあることについても紹介されています。

そして、新たに「重症度分類」の整理が行われ、重症度に応じた診療を行うことを求めています。
重症度については、軽症、中等症(
)、重症の4段階に分けられ、中等症については呼吸不全がない場合は、呼吸不全がある場合はに分類されます。
それぞれの特徴は次の通りとなります。

重症度分類

軽症:多くは経過観察で自然軽快するが、発症2週間目までに急速に病状が進行することもある。悪化した場合、低酸素血症の進行として症状が現れることが多い。高齢者、基礎疾患があるなどの重症化リスクがある場合、病状の進行を想定して入院する。

中等症:呼吸不全なし。入院し慎重に観察。発熱、呼吸器症状や基礎疾患の対症療法を行う。

中等症:呼吸不全あり。酸素投与が必要。必要に応じて、人工呼吸器、ECMOの医療体制が整う施設への転院を検討。

重症ICUに入室、または人工呼吸器が必要。病態によってL型(比較的軽症)、H型(重症)に分けて、効果的な治療を行う必要がある。

そのほかに、薬物治療の項目には、7日に特例承認されたレムデシビルの投与方法について、説明されているほか、13日に承認された抗原検査についてなども追記されています。

厚生労働省:新型コロナウイルス感染症COVID-19 診療の手引き 第2https://www.mhlw.go.jp/content/000631552.pdf

 

医療従事者、介護職員へ慰労金-第二次補正予算閣議決定(5/27

政府は27日、新型コロナウイルス感染症の対策として、感染拡大防止とワクチン・治療薬開発への助成や、医療・介護事業者への支援策などを盛り込んだ、第二次補正予算案を閣議決定しました。
一般会計の追加歳出は
319,114億円で、うち厚労省による追加分は49,733億円となりました。

厚労省は流行の長期化、再流行を見据え、次の3点を実施するとしています。

1)検査体制の充実、感染拡大防止とワクチン・治療薬の開発(2,719億円)

2)ウイルスとの長期戦を戦い抜くための医療・福祉の提供体制の確保(27,179億円)

3)雇用調整助成金の抜本的拡充をはじめとする生活支援(19,835億円)

このうち(2)では、医療・介護事業者への支援策として、設備や衛生用品など物質面でのサポートのほか、医療従事者、介護職員に対して一人当たり最大20万円の慰労金を支給する方針が示されました。

医療従事者に対しては、重点医療機関や新型コロナウイルス感染症患者の入院を受け入れる医療機関などで、実際に新型コロナ感染症患者を受け入れている場合には、職員一人当たり20万円、受け入れていない場合でも病床を確保した場合は10万円支給されます。
また、重点医療機関などに該当しない医療機関についても、患者と接する医療従事者や職員に対して、
5万円が支給されるとのことです。

介護職員に対しては、新型コロナウイルス感染症が発生、または濃厚接触者に対応した施設・事業所に勤務し、利用者と接する職員に対して20万円、新型コロナウイルス感染症が発生していない施設・事業所についても、利用者と接する職員に対して5万円を支給することを検討しているとのことです。

また、医療機関の資金繰りを支援するため、福祉医療機構による融資を拡充するほか、希望のあった医療機関に対しては、5月診療分の診療報酬を6月に概算前払いする方針を示しています。

財務省:令和2年度補正予算(第2号)https://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/budget/fy2020/hosei0527.html

厚生労働省:令和2年度厚生労働省第二次補正予算案の概要https://www.mhlw.go.jp/wp/yosan/yosan/20hosei/02index.html

 

レムデシビル、新型コロナウイルス感染症の治療薬として日本初承認(5/7

厚生労働省は7日、新型コロナウイルス感染症の治療薬として、アメリカ合衆国のギリアド・サイエンシズ株式会社の抗ウイルス薬「レムデシビル」(販売名:ベクルリー点滴静注液 100 mg、ベクルリー点滴静注用 100 mg)を承認しました。
新型コロナウイルスの治療薬として承認された、日本初の事例となります。

レムデシビルは、もともとエボラ出血熱の治療薬として開発されましたが、新型コロナウイルス感染症の重症患者に対して実施された臨床試験の結果、有効性が期待されたことから、1日、アメリカFDAの緊急使用許可が認められました。
これを基に日本では特例承認制度を利用し、審査プロセスを大幅に簡略化し、承認されることとなりました。
厚労省は、現段階では、臨床試験の成績が極めて限定的であることから、有効性、安全性についてのデータが十分に蓄積されるまでは、使用にあたって特段の配慮することを求めています。

承認された効能は「SARS-CoV-2 による感染症」で、現時点では原則として次のいずれかに該当する重症患者に対して投与します。

酸素飽和度 94%(室内気)以下の患者

酸素吸入を要する患者

体外式膜型人工肺(ECMO)を導入している患者

侵襲的人工呼吸器管理を要する患者

また、基本的注意として、急性腎障害、肝機能障害があらわれることがあるため、投与前、投与中のタイミングで、毎日、腎機能検査と肝機能検査を行い、患者の状態を十分に観察することのほか、報告されていない副作用が生じる恐れがあるため、臨床症状と臨床値*の確認、必要に応じた尿検査の実施も求めています。

*添付文書では以下の項目が挙げられています:白血球、白血球分画、ヘモグロビン、ヘマトクリット、血小板数、クレアチニン、グルコース、総ビリルビン、ASTALT、プロトロンビン時間

厚生労働省:令和2年5月7日付薬生薬審発050712号、薬生安発0507第1号「レムデシビル製剤の使用に当たっての留意事項について」
https://www.mhlw.go.jp/content/000628073.pdf

 

離職中の看護師、約700名がコロナ禍で復職-日看協調査より(5/22

日本看護協会は、新型コロナウイルス感染症の流行により、離職中の看護師5万人のうち、700人が復職したことを明らかにしました。
47日の緊急事態宣言発令を受け、復職依頼した5万人のうち、求職者数は2,687人で、696人が就業しました。
求人数は
1,119人であったことから、6割程を充当できたこととなります。

復職した看護師は、病院での発熱者のトリアージや、軽症者向け宿泊施設での療養者の健康管理や感染対策、PCRセンターなどで勤務しているとのことです。

日看協は、新型コロナウイルス感染症の第2波、第3波での流行に備え、看護職員と食派の丁寧なマッチングを迅速に行うほか、復職者が安心して業務をこなせるよう、復職前の研修を充実させるとしています。

公益社団法人日本看護協会:522日付ニュースリリース「ナースセンター登録者(潜在看護職)への復職依頼 約700人の看護職が軽症者施設や病院などで活躍」
https://www.nurse.or.jp/up_pdf/20200522145032_f.pdf

 

厚労省、訪問介護職員向け感染症対策動画をYouTubeで公開(5/6

厚生労働省は、6日、訪問看護職員向けの感染症予防策を解説する動画をYou Tube上に公開しました。
タイトルは「訪問介護職員のためのそうだったのか!感染対策!」で、聖路加国際大学大学院看護研究科の山田雅子教授が解説しています。
また、
29日には、訪問介護を受ける利用者や家族向けの動画「訪問サービスを受ける方のためのそうだったのか!感染対策!」も公開しました。

訪問看護職員向けの動画については、利用者宅に到着してから、事業所での処理を済ませるまでの一連の注意事項について、3作にまとめられており、手指衛生、食事・排泄介助を行う上での留意事項のほか、簡易エプロン・フェイスシールドの作り方など、すぐに役立つ情報がわかりやすく解説されています。
動画ということで、注意事項や手順がよりイメージしやすくなったのではないでしょうか。

厚生労働省:動画「訪問介護職員のためのそうだったのか!感染対策!」
https://youtu.be/OQp6VRyoYL4

https://youtu.be/RZN_aN6dcs4

https://youtu.be/6PKNJjJ7hQc

厚生労働省:動画「訪問サービスを受ける方のためのそうだったのか!感染対策!」

https://youtu.be/z14ufxBL6_4

 

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