【ニュース振り返り】日本の介護、6割は「老老介護」―2020年7月後半のニュース3選

老老介護

ココメディカマガジン編集部が気になる医療・介護業界のニュースをピックアップする「ニュース振り返り」。7月後半は、医療・介護にまつわる様々な統計結果が明らかに。日本の介護の6割が「老老介護」であることがわかったほか、若年性認知症の有病者数についての最新データも公表されました。それでは早速振り返りましょう!

日本の介護、6割は「老老介護」-2019年国民生活基礎調査結果より(7/17

厚生労働省は、17日、2019年の国民生活基礎調査の結果を公表しました。要介護者と主な介護者の関係性について、両者とも「65歳以上同士」の組み合わせは59.7%、「75歳以上同士」は33.1%で、いずれも最多となったことがわかりました。
要介護者と介護者の両方が65歳以上の高齢者である、いわゆる「老老介護」が増加していることが改めて浮き彫りとなった形です。

今回の調査は、3年ごとに実施される大規模調査に該当し、介護についての調査も全国で行われました。対象となった要介護者、要支援者7,396人のうち、6,549人から回答が得られました。

要介護者の年齢については、80代、90代など年齢が高い階級が占める割合が上昇。
要介護者が、介護が必要になったきっかけについては、「認知症」が最多の24.3%で、「脳血管疾患(脳卒中)」が19.2%、「骨折・転倒」が12.0%と続きます。

主な介護者については、要介護者と「同居」が54.4%と過半数を占めており、同居の介護者との続柄については「配偶者」が23.8%で最も多く、次いで「子」が20.7%、「子の配偶者」が7.5%となっています。

そして冒頭でご紹介した要介護者と、同居している主な介護者の年齢階級については、「65歳以上同士」は59.7%と、前回調査(2016年)比5.0%の増加となり、「75歳以上同士」については33.1%で、同調査比2.9%の増加となりました。

厚生労働省:2019年 国民生活基礎調査の概況
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa19/index.html

新型コロナ、9割の医療機関が外来患者減少全国保険医団体連合会調査より(7/21

全国保険医団体連合会は、21日、5月診療分について、新型コロナウイルス感染症が医療機関に与えた影響に関するアンケート結果を公表しました。
前年5月と比べて約9割の医療機関で外来患者数が減少し、特に耳鼻咽喉科、小児科、歯科での影響が大きいことがわかりました。
感染拡大が長期化し、終息が見通せない中で、「経営が苦しい」といった声が多く挙がっており、「廃業、閉院を検討している」との回答も見られ、事態は深刻です。

今回の調査は、618日から73日に、保険医協会・医会に所属する24都府県の医療機関32,399件に対して実施され、回答のあった6,622件(医科 3,975件、歯科 2,647件)の結果がまとめられています。

その結果、外来患者数については、前年5月と比べ、医科の86.8%、歯科の89.1%が「減った」と回答しており、減少の程度が30%以上だったのは、医科で20.4%、歯科では27.3%となったことが明らかに。
保険診療収入についても、医科の83.7%、歯科の83.0%が「減った」と回答しています。

医科診療所の科別では、特に小児科と耳鼻咽喉科で外来患者の減少が顕著で、小児科の94.8%、耳鼻咽喉科の91.6%が「減った」と回答しています。減った割合についても、耳鼻咽喉科については「30%以上の減少」が76.9%、「50%以上の減少」が13.3%で、小児科については「30%以上の減少」が75.8%、「50%以上の減少」は26.3%となっています。

患者が受診控えによって重症化したとして、がんの進行や心不全の悪化、緑内障で治療中の患者が失明した、突発性難聴だったが受診が遅れ、聴力が改善しなかったといったといった事例のほか、糖尿病などの慢性疾患で検査ができなかった事例も挙げられました。
また、高齢者については、外出・通院を控えたことで、体力、運動機能、認知機能の低下がみられたことや、介護施設の利用制限によって精神面の不調につながりやすいと指摘する声もあったとのことです。

新型コロナ感染拡大の影響に関する医療機関アンケート結果(第2弾)
https://hodanren.doc-net.or.jp/news/tyousa/200721_kzank2.html

若年性認知症の有病者数、3.57万人に。3割は介護保険サービス利用せず(7/27

東京都健康長寿医療センターは、27日、2017年度から19年度に実施した若年性認知症の調査結果を発表しました。65歳未満の若年性認知症者の総数は3.57万人で、人口10万人当たりの有病率は50.9人と推計されるとのことです。

今回の調査は、全国12地域の医療機関や介護サービス事務所など16,848ヵ所と協力し、全国の若年性認知症の有病率と有病者数を推計。
その結果、若年性認知症有病率は人口 10万人あたり前回調査(2006年度~08年度)比3.3人増の50.9人、有病者数は同調査比0.21人減の3.57万人と推測されることが明らかになりました。
なお、都健康長寿センターによると、前回調査と比較して、有病率が増加したのに対し、患者数が微減していることについては、若い世代の人口減少を反映した結果とのことです。

原因疾患別では、アルツハイマー型認知症52.6%)が最も多く、血管性認知症17.1%)、前頭側頭型認知症9.4%)がそれに続く結果となりました。

生活習慣については、最初に気づいた症状は、「もの忘れ」(66.6%)、「職場や家事などでのミス」(38.8%)が多く、発症時に6割は就労していたものの、そのうちの7割は調査時点で退職していることが明らかに。
6割が世帯収入の減少を感じており、主な収入源は4割が障害年金、1割が生活保護となっています。
発症時には仕事をしていたのに、若年性認知症によって退職を余儀なくされ、収入が減少した-そんな実態が伺えます。
さらに、3割は介護保険の申請をしておらず、公的介護サービスを利用できていないこともわかりました。

若年性認知症の場合、高齢者とは異なるサポートが必要である一方、実態があまり明らかになっていないために、支援策が十分でないのが現状です。
今回の調査では、発症による収入減少の実態や、公的介護サービスを利用していない人が多いことなどが明らかになりました。今回明らかになった実態を踏まえ、今後の支援策の充実につながることが期待されます。

地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター研究所:<プレスリリース>「わが国の若年性認知症の有病率と有病者数」
https://www.tmghig.jp/research/release/2020/0727-2.html

 

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