【ニュース振り返り】新型コロナウイルス流行時のオンライン診療、特例対応継続へ―2020年8月前半のニュース3選

ココメディカマガジン編集部が気になる医療・介護業界のニュースをピックアップする「ニュース振り返り」。8月前半は、新型コロナウイルス感染症の流行時のオンライン診療について、初診が認められる特例的な対応が当面継続することが明らかに。冬のインフルエンザと新型コロナウイルス感染症の同時流行に向けた提言も紹介します。それでは早速振り返りましょう!

新型コロナウイルス流行時のオンライン診療、特例対応継続へ(8/6

厚生労働省は、6日、「オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会」を開催し、新型コロナウイルス感染症(以下、COVID-19)流行時の電話診療、オンライン診療(以下、オンライン診療等)について、特例的な取り扱いを引き続き継続する方針を示しました。
一方、初診での処方が認められていない、麻薬・向精神薬が処方された事例など、要件を守らない事例が複数報告されていることも明らかになりました。

オンライン診療等については、COVID-19流行時の時限的・特例的な取り扱いとして、厚労省が段階的に実施要件を緩和しており、410日付の事務連絡では、これまで原則対面でしか実施できなかった初診についても、流行収束までの期間に限り、オンライン診療等を認める方針を示しています。
ただし、あくまで時限的な対応であることから、今後の取り扱いについては、原則3か月に一度、実効性や安全性の観点で検証を行うこととしており、今回の検討会では、4月から6月の3か月分の実績について検証しました。

まず、オンライン診療等を活用している医療機関は、7月末時点で16,202施設で、医療機関全体の14.6%を占める結果となりました。このうち、6,801施設では初診での対応も行っています。オンライン診療等を利用した年代については小児が多く、診療科については内科、小児科での受診が多くなっています。

一方、410日付事務連絡では、実施要件として初診での麻薬、向精神薬、ハイリスク薬の処方は認められないことが明言されていますが、ジヒドロコデインリン酸塩など不適切な処方が行なわれた事例があったほか、ハイリスク薬が処方された事例が85件あったことがわかりました。
処方日数についても、診療録等で患者の基礎疾患の情報が確認できない場合は7日間を上限とすることが要件となっていますが、8日分以上を処方する事例も報告されています。
厚労省は、このような不適切な事例については、都道府県を通じて指導を行うとのことです。

また、北海道の患者が慢性鼻炎のために東京都を受診したケースなど、遠方の患者をオンライン診療した事例についても明らかに。
「概ね同一の二次医療圏内に居住する患者を対象とするのが望ましい」との見解が示されました。
更に、小児で受診が多かった湿疹など、視覚情報が得られない電話診療に適していない疾患があることについても、周知するとしています。

厚生労働省:第10回オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_12769.html

厚生労働省:2020410日付事務連絡「新型コロナウイルス感染症の拡大に際しての電話や情報通信機器を用いた診療等の時限的・特例的な取扱いについて」
https://www.mhlw.go.jp/content/000620995.pdf

介護現場での人手不足、依然深刻なまま-65%の事業者が「人材不足」(8/7

介護労働安定センターは、7日、2019年度の介護労働実態調査の結果を公表しました。
人手不足を感じている事業者が全体の65.3%を占める結果となり、深刻な状況が続いていることが明らかになりました。

今回の調査は、介護保険サービスを提供する全国の事業所のうち、無作為に抽出した18,000事業所に対して昨年10月に実施されたもので、有効回答は約半数の9,126事業所となりました。
また、これらの事業所で従事する、介護にかかわる労働者(一事業者当たりの上限3人)に対しても調査を実施しており、21,585人から有効回答を得ています。

まず、従事する従業員の不足感については、「大いに不足」は10.2%、「不足」は21.9%、「やや不足」は33.2%となり、合計で65.3%の事業所が人手不足を訴えていることが明らかになりました。
昨年度(67.2%)と比較して少し低下したものの、依然として高い水準であることがわかります。なお「適当」は 34.4%となりました。

職種別では、訪問介護員の不足感がもっとも高い81.2%で、次いで介護職員(69.7%)、看護職員(44.4%)となっています。

不足している理由については、「採用が困難である」が 90.0%と大多数を占めており、その原因として最多となったのは「同業他社との人材獲得競争が厳しい(57.9%)」で、「他産業に比べて、労働条件等が良くない(52.0%)」がそれに続く形となりました。

また、労働者に対する調査でも、労働条件・仕事の負担に関する悩みや不安として最も多かったのが「人手が足りない(55.7%)」で、「仕事内容のわりに賃金が低い(39.8%)」よりも高いことが明らかに。
現場では賃金以上に、人手不足が大きな負担となっていることが浮き彫りになりました。

賃金については、全職種(正規職員、月給)平均で234,439円となり、前年度(234,873円)比434円の減少となりました。
なお、調査時点では特定処遇改善加算については算定前であったため結果には含まれていませんが、対象事業者に算定意向について調査した結果、「算定する(48.4%)」、「算定する予定(15.1%)」を合わせると、6 割以上の事業所が加算を算定する意向であることがわかりました。

公益財団法人介護労働安定センター:令和元年度 介護労働実態調査結果について
http://www.kaigo-center.or.jp/report/2020r02_chousa_01.html

日本感染症学会、冬のインフルエンザ・新型コロナウイルス感染症同時流行に向けての提言発表(8/3

日本感染症学会は、3日、11月以降のインフルエンザのシーズンでの、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の診療について、一般のクリニックや病院での外来診療向けに作られた提言「今冬のインフルエンザとCOVID-19に備えて」を公表しました。

日本感染症学会によると、日本での患者数は5月上旬をピークにいったん減少したものの、再度増加し、現在、第2波の到来が疑われる状態で、次の冬季には大きな流行が予測されるとのこと。
さらに、インフルエンザの流行期と重なることから、重大な事態になる可能性があると危惧しています。
これらの状況を踏まえ、日本感染症学会は、インフルエンザ−COVID-19アドホック委員会を起ち上げ、今回の提言を作成したとのことです。

提言では、COVID-19とインフルエンザの違いのほか、検査、治療、ワクチンについてまとめられていますが、ここでは検査について、少しご紹介します。

COVID-19が発生している地域では、インフルエンザとCOVID-19の両方の可能性があると想定することがポイントとなりますが、臨床症状のみで両者を判断することは困難です。
委員会は、地域でCOVID-19の流行がみられる場合には、インフルエンザが強く疑われる場合を除いて、両方の検査を行うことを推奨するとし、地域での流行レベルを踏まえた検査指針が盛り込まれました。

これに加えて、呼吸器症状がみられる外来患者に対する個人防護具の使用推奨の一覧表や、実臨床でインフルエンザとCOVID-19のどちらかを強く疑って検査する場合に役立つ、診療検査の進め方のフローチャートなどもまとめられています。

一般社団法人日本感染症学会:今冬のインフルエンザとCOVID-19に備えての提言に際して
http://www.kansensho.or.jp/modules/guidelines/index.php?content_id=41

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