【ニュース振り返り】2021年度介護報酬改定、感染症と災害対策がテーマに―2020年9月前半のニュース3選

ココメディカマガジン編集部が気になる医療・介護業界のニュースをピックアップする「ニュース振り返り」。9月前半は、2021年介護報酬改定のテーマのひとつとして、感染症と災害対策が取り上げられることが決定したほか、インフルエンザとの同時流行に備え、発熱時の相談・診療体制が転換する方針が示されました。人手不足が深刻なICUを遠隔サポートするフィリップスの新システムもご紹介します。それでは早速振り返りましょう!

2021年度介護報酬改定、感染症と災害対策がテーマのひとつに(9/4

厚生労働省は94日に開催された社会保障審議会介護給付費分科会の会合で、来年度改訂予定の介護報酬について議論しました。
3月から業界団体へのヒアリングや個別テーマの検討が行われてきましたが、今回の検討会からいわゆる「第二ラウンド」が開始。
新型コロナウイルス感染症の流行や、相次ぐ災害を踏まえ、分野横断的なテーマに「感染症や災害への対応力強化」が加えられることとなりました。
今後、引き続き検討を進め、年末に取りまとめられる予定となっています。

感染症や災害への対応力強化」においてキーワードとなるのは、「介護サービスの安定的・継続的な提供」です。
介護サービスは利用者やその家族の生活において必要不可欠なもの。
感染症や災害が発生した場合でも安定して業務を続けられるよう、日頃の備えとなる取り組みを推進するため、現行の運営基準などを踏まえた方策を検討するとしています。
また、事業継続計画(BCP)策定を推進するため、適切な取り組みを行う事業者を基本報酬や加算などで評価すべきとの声もあがっており、こちらについても新たな方策が検討される見込みとなっています。

また、新型コロナウイルス感染症の流行に伴い導入された、介護報酬上の特例的な取り扱いについては、流行収束に合わせて終了すべきものと、恒常的な対応が必要なものとに整理すべきとの考えが示されました。
恒常化すべき事例のひとつとして挙げられたのが「ICTの活用」で、研修や多職種での情報共有のほか、非対面でも差し支えない業務についてはICT化を進めるべきとの意見があがっています。

次回介護報酬改定の分野横断的テーマは、このほかに、1)地域包括ケアシステムの推進、(2)自立支援・重度化防止の推進、(3)介護人材の確保・介護現場の革新、(4)制度の安定性・持続可能性の確保が提示されています。

厚生労働省:第184回社会保障審議会介護給付費分科会(web会議)資料https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_13243.html

新型コロナ、発熱時もかかりつけ医を直接受診に体制整備インフルエンザ同時流行に備え(9/4

厚生労働省の新型コロナウイルス感染症対策推進本部は、4日、冬季のインフルエンザと新型コロナウイルス感染症の同時流行を見据え、相談や診療体制の整備などを求める事務連絡を発出しました。
検査体制の拡充のほか、発熱症状がある患者も地域のかかりつけ病院を直接受診するよう、診療体制が変更となる見込みで、10月中を目途に整備を行うことを各都道府県に求めています。

今回の事務連絡によって変更となるポイントを一部ご紹介します。
まず、発熱など新型コロナウイルス感染症の感染が疑われる症状がみられる場合、これまでは保健所などに設置されたに帰国者・接触者相談センターに電話相談した上で、医療機関を受診し、必要に応じて検査を受ける流れとなっていました。

しかし、例年、インフルエンザの流行期には発熱を訴える患者が多くなることから、今後は帰国者・接触者相談センターを介さず、地域の医療機関に電話などで相談した上で直接受診し、検査することができるよう、体制を転換していく方針が示されました。
そして都道府県に対して、このような医療機関を「診療・検査医療機関(仮称)」として速やかに増やすことや、自院での診察が難しい医療機関でも、適切な医療機関や検査センターを患者に紹介できるように相談体制を整えることなどを求めています。

また、従前の帰国者・接触者相談センターについては、患者がどの医療機関に相談すべきかわからない場合や、夜間・休日に受信可能な医療機関を探す場合の相談窓口として「受診・相談センター(仮称)」として機能を維持し続けるとのことです。

今回の通知では、相談、診療、検査体制の整備のほか、インフルエンザワクチンの効率的な接種や、「新しい生活様式」をはじめとした感染症対策の推進についても言及されています。

厚生労働省:202094日事務連絡「次のインフルエンザ流行に備えた体制整備について」https://www.mhlw.go.jp/content/000667888.pdf

フィリップス、ICUを遠隔からサポートする支援システム発売(9/1

株式会社フィリップス・ジャパンは、集中治療室(ICU)での治療を、専門医がオンラインで遠隔からサポートする治療システムeICU」を9月から発売することを発表しました。
電子カルテや生体情報モニター、人工呼吸器などから収集した情報を、専門医が常駐する支援センターに送信し、AIで解析。解析されたデータをもとに、支援センターの医師から現場スタッフにアドバイスを与える形でサポートします。
医師1名、看護師3名、医療事務1名の支援チームの場合、最大150名の患者をモニタリングすることができるとのことです。

また、病室に呼び出しボタンを設置することで、支援センターの医師からの助言を24時間受けることができるほか、患者のシリンジポンプや人工呼吸器の状況をカメラを通して確認してもらうことも可能です。
忙しい現場スタッフを支える、心強い存在ですね。

eICU」は海外では15年以上前から550の医療機関で活用されており、死亡率低下、在室日数短縮など、様々な点で評価されているほか、新型コロナウイルスについても、挿管やECMOの遠隔支援などに活用された事例が報告されているとのことです。
地方の医療機関など、人手不足が深刻化しているICUの医療を支える新たな存在といえるかもしれませんね。

株式会社フィリップス・ジャパン:202091日付プレスリリース「遠隔集中治療ソリューション 「eICU」を日本市場へ本格導入」
https://www.philips.co.jp/a-w/about/news/archive/standard/about/news/press/2020/20200901-pr-philips-healthcare-eicu-connected-care.html?src=search

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