【ニュース振り返り】介護ベッド、手すりに挟まれる死亡事故に注意!―2020年9月後半のニュース3選

ココメディカマガジン編集部が気になる医療・介護業界のニュースをピックアップする「ニュース振り返り」。9月後半は、消費者庁が介護ベッドの手すりに挟まれる死亡事故について注意喚起を行ったほか、フレイルの心不全患者にも心臓リハビリが効果的との研究結果がAMED(国立研究開発法人日本医療研究開発機構)から発表されました。また、総合事業に関する省令改正について、注目の緊急声明も。それでは早速振り返りましょう!

死亡事故も!介護ベッド、手すりとの隙間に挟まれる事故に注意(9/16

消費者庁は、介護ベッドの柵と手すりとの間に首などが挟まれる死亡事故が発生していることについて注意喚起しています。
ベッドや手すりの組合せによっては、隙間が大きくなり、頭や首、手足が入り込んでしまう可能性があるため、クッションやカバーなどで隙間を埋めて使用することが有効です。
医療・介護従事者から、改めて患者さんや利用者さんに注意喚起しましょう。

介護ベッドの手すりに関する事故は、2015年1月から2020年7月末までの約5年間で36件が報告されており、うち21 件が死亡事故、11件が治療期間1か月以上の重傷事故となっています。
事故の状況については、手すりとベッドの間に頭や体が挟まる事故のほか、手すりの隙間に腕が挟まる事故も多くなっています。

対策として有効なのは、冒頭で紹介した通り、カバーやクッションなどで隙間を埋めること
特に、ベッド用手すりの形状や間隔について、2009年にJISが改正された以前の古いベッドを使用している場合は特に注意が必要です。

また、電動ベッドのリモコンが落ちてしまい、取ろうとしてベッドと床との間に挟まる事故や、背上げや膝上げの際、使用者の腕や足がベッドからはみ出ており、手すりとマットレスの間に挟まる事故も発生しています。
リモコンは安全な場所に置く、利用者の手足の位置を確認してから動かす。
この点についても、いま一度注意を促しましょう。

消費者庁:介護ベッドと柵や手すりとの間に首などが挟まれる事故に注意-毎年死亡事故が発生しています-https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/caution/caution_038/assets/consumer_safety_cms204_200916_01.pdf

要介護認定者の総合事業移行、撤回を求める緊急声明発表-認知症の人と家族の会(9/18

公益社団法人認知症の人と家族の会は、18日、厚労省が省令改正に向け検討を進めている、介護保険の総合事業について、撤回を求める緊急声明を発表しました。
202141日施行予定の改正案では、市区町村が認め、かつ本人が希望する場合であれば、要介護の人でも総合事業を利用することが可能となりますが、同会の鈴木森夫代表理事は「要介護者の保険給付外しになることが強く懸念される、きわめて危険な内容」とし、断固反対する姿勢を示しています。

総合事業は、介護保険法の「介護予防・日常生活支援総合事業」として20174月から各市区町村で始まった制度で、従来の介護事業者だけでなく、地域のボランティアやNPOなどによるサービス提供が認められています。
対象者は要支援12に該当する人で、これまで介護保険サービスとして実施されていた、要支援の人向けの介護予防訪問介護と介護予防通所介護が、介護保険を外れ総合事業にそのまま代替した形となっています。

しかし、要介護の人については総合事業の対象外となり、要支援から要介護に移行した場合、これまで利用してきたサービスが継続できなくなってしまうという問題点が指摘されていました。
また、厚労省は介護保険制度の持続可能性の観点からも、総合事業の対象を弾力化を目指しており、総合事業に関する省令改正について、825日からパブリックコメントを募集していました(923日に意見募集終了)。

これに対し、家族の会の鈴木氏は緊急声明で、「要介護者の保険給付外しの突破口であり、介護保険の受給権侵害につながるもの」と強く反対。
利用者が希望すれば利用可能という点についても、「市区町村が認めた場合」とあることから、利用者・家族の意向よりも行政的な判断が優先される可能性があると懸念しています。
そのうえで、介護サービスを細分化するのではなく、「介護保険給付サービスとして一本化すべき」と訴えています。

公益社団法人認知症の人と家族の会:【緊急声明】要介護認定者の総合事業移行は絶対に認められないhttp://www.alzheimer.or.jp/wp-content/uploads/2020/09/2020918kinkyuseimeisougoujigyou.pdf

高齢やフレイルの心不全患者、多職種の心臓リハビリが効果的-榊原記念病院、AMED9/29

日本医療研究開発機構は、29日、入院した心不全患者全般、特にフレイルや心臓の収縮能が保たれた心不全患者においても多職種の心臓リハビリテーションが有効である可能性があるとの研究結果を発表しました。
本研究は日本心臓血圧研究振興会附属榊原記念病院の磯部光章院長による研究グループによるもので、多症例についてまとめた世界初の事例となります。

心不全は加齢に伴い発症しやすくなり、高齢化が急速に進んでいる日本では、毎年約1万人のペースで患者が急増。
2030年には約130万人が罹患すると推計されています。
心不全になると増悪に伴う再入院を繰り返し、そのたびに体力や心臓の機能が低下し、最終的に死亡します。

心不全の治療には、一般的に薬物療法のほか、心肺機能を改善するための心臓リハビリが効果的といわれていますが、フレイルを合併する患者に対する有効な治療は確立していません。
さらに、高齢の心不全患者では心臓の収縮機能が保たれている患者が半数以上を占めていますが、このような患者には有効性が証明された治療方法は薬物療法を含めて確立していません。

そこで、今回の研究では、運動療法や生活指導、カウンセリングなどを、多職種で包括的に行う心臓リハビリテーションが病気の経過に影響を与えるか、全国15施設の心不全による入院患者4,339例を対象に、5年間追跡調査が行われました。

その結果、心臓リハビリテーションを行った心不全患者では、退院後の死亡および再入院のリスクが23%低かったほか、フレイル心不全患者や心臓の収縮機能が保たれている患者においても、心臓リハビリテーションの実施が良好な予後に関連していることが明らかになったとのことです。

公益財団法人日本心臓血圧研究振興会附属榊原記念病院、国立研究開発法人日本医療研究開発機構:心不全患者に対する新たな治療心臓リハビリテーションの有効性に関する研究
https://www.amed.go.jp/news/release_20200929-01.html

 

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