【今夏のプレスリリースを振り返る!】人生の意味や目的が循環器病リスクを抑制ープレスリリース5選

医療介護の話題を日々調査している編集部ですが、今回はいつものニュースまとめ…ではなく、これまで紹介しきれなかった、新製品や大学での研究成果を中心に、気になるプレスリリースをご紹介します。

ちなみに、プレスリリースとは、新製品や研究動向など、企業・大学などの最新動向をまとめた、メディア向け文書のこと。開発秘話など、発信者の想いをダイレクトに感じることができる手紙のような存在です。それでは早速見ていきましょう!

<開発編>田辺三菱製薬、うつ病治療アプリ開発に向けライセンス契約締結(9/1)

田辺三菱製薬は、京都大学と国立精神・神経医療研究センターの3者で、うつ病の治療をめざしたスマートフォン用アプリケーション「こころアプリ」の臨床開発と販売に関するライセンス契約を締結しました。
今後医療機器としての製造販売承認取得に向けて、臨床試験を実施し、2025年度までの実用化を目指すとのことです。

アプリではうつ病の認知行動利用に活用することができ、過去の医師主導の臨床研究では、抗うつ剤とアプリの併用により、薬剤単独での治療と比較して、うつ病の症状を改善することが確認できたとのことです。

「デジタル薬」については、8月にCureApp社の禁煙治療アプリが日本で初めて医療機器として製造販売承認されたほか、塩野義製薬や大塚製薬など多くのメーカーが開発に着手しています。
今後どのようなデジタル薬が登場するのか、期待が集まっています。

田辺三菱製薬:2020年9月1日付プレスリリース「認知行動療法アプリに関する京都大学、国立精神・神経医療研究センターとのライセンス契約締結のお知らせ-日本初のうつ病治療用医療機器アプリをめざして-」
https://www.mt-pharma.co.jp/news/2020/MTPC200901.html

<新製品編①>在宅リハをウェアラブル端末でサポート!訪問看護事業者向け支援サービス “モフトレHome”販売開始―株式会社Moff(9/2)

株式会社Moff(以下、モフ)が、訪問介護事業者向けのリハビリ支援サービス「モフトレHome」を販売開始しました。「モフトレ」は、体に腕時計型のウェアラブル端末「Moff Band」を装着してトレーニングすることで、運動記録をリアルタイムでタブレットに把握、記録できるサービスで、2017年に介護施設向けに発売されました。
訓練結果をその場で見える化できるため、利用者がモチベーションを維持しながら楽しくトレーニングを続けられるほか、プログラムの自動作成もできるため、職員の負担軽減にも役立ちます。

今回発売された「モフトレHome」は在宅リハビリテーション用に開発された新サービス。
訪問看護ステーションの理学療法士、作業療法士などのリハビリ専門職だけでなく、看護師でも利用できることが特徴で、訪問先で疾患や対象部位をスマホ、タブレットのアプリに入力することで、リハビリプログラムを自動作成できます。スマホ、タブレットと「Moff Band」さえあれば、特別な機器やスペースも必要ないため、在宅のベッドサイドでも無理な負担なく、楽しくリハビリができそうですね。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000026.000009514.html

<新製品編②>ユニクロ、「前あきインナー」をオンラインストアで発売(8/24)

ユニクロは、Tシャツやブラジャーなどが「前あき」のインナーを9月7日に発売しました。
乳がん手術後の方や、腕が上がりにくく、頭から被る衣服が着づらい方、入院中・通院中の方、障がいのある方や高齢者などから寄せられた声をもとに開発された商品で、オンラインストア限定で販売されています。

今回発売されたのはエアリズム素材のTシャツ、コットン素材のTシャツ、ブラジャーなどで、女性用、男性用、子ども用と世代も幅広く展開。高齢者でも履きやすい、足首回りの締め付けが少ない靴下もあります。

Tシャツは男女とも1,990円、ブラジャーは1,990円、靴下は390円と、既存品と比べて値段が手頃で、カラーバリエーションが豊富な点も特徴です。
おしゃれを楽しみながら活用できそうですね。
医療、介護サービスを受ける側だけでなく、医療従事者や介護職員など、サービスを提供する側にとっても強い味方になってくれる商品です。

 

プレスリリース:ユニクロ、「前あきインナー」をオンラインストアで発売https://www.nikkei.com/article/DGXLRSP539307_U0A820C2000000/

ユニクロ:前開きインナー商品ページ
https://www.uniqlo.com/jp/ja/contents/feature/front-open/

<研究編①>「人生における意味や目的」が循環器疾患の発症リスクを抑制するー順天堂大学(8/20)

順天堂大学は、ポジティブな心理状態(心理的ウェルビーイング)と循環器疾患の発症リスクとの関連性を分析した結果、高齢男性で「人生における意味や目的」が動脈硬化を抑制する効果が認められ、さらに5年経過後も効果が持続することを発表しました。 

ストレスが多い現代社会において、うつ等のネガティブな感情が循環器疾患へ与える影響については多くの研究が進められていますが、ポジティブな感情との関連、特に人生を生きるに値するものとするための「意味(meaning)」や「目的(purpose)」と循環器疾患のリスクに関連があるのかについてはよくわかっていませんでした。

そこで、研究グループは、英ロンドン中心部で働く公務員を対象とした研究(ホワイトホールⅡ研究)のデータを用いて、4,754名の心理的ウェルビーイングと、動脈硬化の指標である大動脈脈波伝播速度(PWV)の5年間の変化を分析しました。その結果、心理的ウェルビーイングのレベルが低い男性は、高い男性と比較して、PWVの平均値が低く、5年後にもその傾向を持続することが明らかに。
特に高齢の男性でその傾向が顕著に見られ、女性については同様の傾向はみられませんでした。

仕事を頑張ってきた男性が、退職と共に生きがいを失う…という話をよく聞きますが、循環器疾患を防ぐため、また寝たきりを防ぐためにも、第二の人生での生きがいを見つけることが大切です。
研究グループは、今後、日本の高齢者を対象に心理的ウェルビーイングの循環器疾患への影響について検討する予定とのことです。

 

順天堂大学:8月20日付プレスリリース「『人生における意味や目的』が循環器疾患の発症リスクを抑制する」https://www.juntendo.ac.jp/news/20200820-02.html

<研究編②>緑茶を1日4杯以上飲んでいる人で約1.6本の歯が多いー東北大学(9/2)

東北大学は、9月2日、緑茶の摂取と歯の本数の関連について、ソーシャルネットワーク(友人との交流)の程度に着目した研究結果を発表しました。
緑茶を1日に4杯以上飲む高齢者は、緑茶を飲まない高齢者に比べ、約1.6本多く歯が残っていることが明らかになったと報告しています。

今回の研究では、国内の要介護認定を受けていない65歳以上の高齢者に調査票を郵送し、回答があった24,147人の結果を分析。
緑茶の摂取頻度が多くなるほど、何本歯が増えるのかを算出しました。

 

その結果、1か月に10人以上の友人に会う高齢者は、友人に会わない高齢者に比べ、約2.6本多く歯が残っていました。
また、緑茶を1日に4杯以上飲む高齢者は、緑茶を飲まない高齢者に比べ、約1.6本多く歯が残っていることが明らかになり、特に1ヶ月に会う友人の数が少ない高齢者で顕著に認められたとのことです。

緑茶とソーシャルネットワークは、どちらも歯を失うリスクを低くする可能性があることが過去に報告されていますが、東北大学によると、緑茶の摂取頻度と歯の本数の関連について、ソーシャルネットワークを考慮した上で大規模に検証した事例は本研究が初めてとのことです。

新型コロナウイルス感染症の流行によって、友人と会う機会が減っている今こそ、歯の健康に緑茶が役立つかもしれない-そんな期待を感じられる研究報告です。

 

東北大学:2020年9月2日付プレスリリース「緑茶を1日4杯以上飲んでいる人で約1.6本の歯が多かった ~特に1か月に会う友人の数が少ない人に効果大~」
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2020/09/press20200902-01-tooth.html

【無料公開中】人気記事を資料にまとめました!

資料ダウンロード「感染予防」