【ニュース振り返り】訪問介護の看取り加算、新設へ。21年度介護報酬改定―2020年10月後半のニュース3選

ココメディカマガジン編集部が気になる医療・介護業界のニュースをピックアップする「ニュース振り返り」。10月後半は、来年4月からの次期介護報酬で、訪問介護の看取り加算が新設される方針が決定しました。またアルツハイマー病発症のメカニズムについて、注目の研究結果も報告されました。それでは早速振り返りましょう!

訪問介護、看取り加算新設へ―2021年度介護報酬改定(10/22

厚生労働省は、22日に開催された社会保障審議会介護給付費分科会の会合で、来年度の介護報酬改定について議論しました。
訪問介護サービスについて、利用者の看取り期のケアを評価する加算が新設される見通しとなりました。

看取り期の評価については、訪問介護以外のサービスには医療との連携に着目した加算制度が設けられていますが、訪問介護サービスについては特にないのが現状です。

しかし、実態としては、訪問介護事業所が看取り期のケアに関与する事例は多く、利用者・家族と医療・ケアチームの話し合いを、訪問介護事業所が開催した割合は77.0%に上るほか、話し合いへの参加率を職種別にみた場合、ケアマネジャーと同程度の84.4%を占めることがわかっています。
また、業界関連団体からは、在宅での看取りケアを行う場合、受け入れに向けた準備や多職種連携など、サービス提供責任者の業務上の負担が大きく増えることから、訪問介護事業者についても看取り期の評価を求める意見が挙がっていました。

具体的な評価方法については今後検討が進められるとのことで、年内には大枠が決定する見込みです。

厚生労働省:第189回社会保障審議会介護給付費分科会(web会議)資料https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_14240.html

食生活・運動習慣、4人に1人は「改善するつもりがない」-2019年国民健康・栄養調査より(10/27

厚生労働省は、27日、昨年11月に実施した国民健康・栄養調査の結果を公表しました。
今回の調査では、健康無関心層の意識についての調査を初めて実施。
食習慣や運動習慣改善について、4人に1人が改善するつもりがない(「改善することに関心がない」と「関心はあるが改善するつもりがない」の合計)と回答していることが明らかになりました。

食生活と運動習慣について、それぞれみてみましょう。
まず、食習慣改善の意思について、(1)「改善することに関心がない」と(2)「関心はあるが改善するつもりはない」を回答した人の合計は、男性は41.1%((116.5%、(224.6%)、女性は35.7%((110.7%、(225.0%)となっています。理由としては、「特にない」が最多の35.3%となったほか、「仕事(家事・育児等)が忙しくて時間がないこと」(27.5%)、「面倒くさいこと」(25.3%)を占めています。

また、運動習慣については、(1)「改善することに関心がない」と(2)「関心はあるが改善するつもりはない」を回答した人の合計は、男性は37.8%((113.9%、(223.9%)、女性は37.4%((111.1%、(226.3%)となっています。最多の理由は「仕事(家事・育児等)が忙しくて時間がないこと」(38.1%)となりました。

そのほかに注目すべき項目をいくつかご紹介しましょう。
まず、肥満者(BMI25以上)の割合は男性 33.0%、女性 22.3%で、男女とも過去最多になりました。
一方、65歳以上の高齢者で、低栄養傾向の人(BMI20 以下)の割合は男性12.4%、女性20.7%となり、85歳以上に限ると男性 17.2%、女性 27.9%と、より高い割合になることがわかります。

また、「糖尿病が強く疑われる者」の割合は男性 19.7%、女性 10.8%で、この10年間で優位な増加は見られなかったものの、肥満者の割合と同様、過去最多となりました。

今回の調査は、201911月に全国4,465世帯に対して実施されたもので、回答のあった2,836世帯の結果をまとめています。

厚生労働省:令和元年「国民健康・栄養調査」の結果
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_14156.html

アルツハイマー病、発症に関わる神経細胞死のメカニズムが明らかに-東京都立大学、国立長寿医療研究センター(10/27

東京都立大学は、27日、アルツハイマー型認知症の患者の脳に溜まるたんぱく質「タウ」について、脳に溜まりやすくなるメカニズムを発見したと発表しました。
遺伝子変異が起きた酵素「疾患変異型MARK4」によって、タウがリン酸化修飾されることで、よりくっついて固まりやすく、かつ水に溶けにくくなり、脳に蓄積しやすくなるとのことです。

この研究は、東京都立大学大学院理学研究科の大場俊弥大学院生、斎藤太郎助教、安藤香奈絵准教授らと、国立長寿医療研究センター認知症先進医療開発センターアルツハイマー病研究部の飯島浩一部長による共同研究で、Journal of Biological Chemistryに掲載されました。

アルツハイマー病は、脳に「タウ」と呼ばれるタンパク質が溜まり、塊を形成することで、脳の神経細胞が死んでいき、発症します。
タウが溜まることを防げば、神経細胞死を防ぐことができると考えられますが、どのような仕組みで脳にタウが蓄積するのか、そのメカニズムについては明らかにされてきませんでした。

研究チームはこれまで、酵素MARK4がタウをリン酸化することで神経細胞に蓄積しやすくすることを報告していましたが、今回の研究では、疾患変異型MARK4がリン酸化だけでなく、新たなメカニズムでタウを蓄積しやすく変化させていることを発見。
疾患変異型MARK4が、タウの凝集を促進したり、水に溶けにくい形態に変化させたりすることによって、脳に蓄積しやすくなるとのことです。

研究チームは、今回の研究から、MARK4の異常がアルツハイマー病の発症や進行に関わる可能性があることから、今後、MARK4を標的としたアルツハイマー病の治療薬の開発に役立つことが期待されるとまとめています。

東京都立大学:【研究発表】アルツハイマー病の発症に関わる神経細胞死のメカニズムを解明:治療薬の開発にもヒントhttps://www.tmu.ac.jp/news/topics/30417.html

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