【ニュース振り返り】介護事業者の指定申請書や誓約書の「押印」廃止へ―2020年12月後半のニュース3選

皆さま、明けましておめでとうございます!新たな年を迎えましたが、ココメディカマガジン編集部は今後も気になる情報を日々発掘していきたいと思います。2021年もどうぞよろしくお願いいたします!

新年最初の更新となりますが、まずは昨年12月後半のニュースが振り返りから。介護事業者の指定申請書などの押印が廃止されたことで、介護関連文書の押印が原則廃止されたほか、コロナ禍で看護師受けた影響についての調査結果も明らかに。それでは早速振り返りましょう!

介護事業者の指定申請書や誓約書など、書類への押印全面廃止-厚労省通知より(12/25

厚生労働省は、20201225日、国民や事業者が行政に提出する書類に法令や慣例上必要と定められている「押印」手続きについて、見直しを求める通知を発出しました。
介護については、事業者が自治体に提出する指定申請書や誓約書、介護給付費算定に係る体制等に関する届出書などの押印も廃止されることとなり、書類への押印が全面的に廃止されることとなります。

押印の見直しについては、厚労省社会保障審議会の「介護分野の文書に係る負担軽減に関する専門委員会」でかねてから議論が進められており、1912月の中間とりまとめでは、指定申請書や誓約書(申請者が法に定める全ての欠格要件に該当しないことを誓約する文書)、介護給付費算定に係る体制などの一部の文書に限り押印が必要で、その他の文書については廃止されることとなりました。
そして、この度の通知により、限定的に押印が求められていたこれらの書類についても不要となり、通知内の様式見本では押印欄も削除されました。

なお、1113日に開催された専門委員会の会議では、押印の廃止以外に2020年度内に検討が必要な項目として、変更届の提出頻度や、更新申請時の提出資料の簡素化などが挙げられています。
介護事業者の文書に関する負担改善に向けた取り組みが、更に進むこととなりそうです。

 

独立行政法人福祉医療機構(WAM NET):令和21225日付介護保険最新情報Vol.900「押印を求める手続の見直し等のための厚生労働省関係省令の一部を改正する省令」の公布等について
https://www.wam.go.jp/gyoseiShiryou-files/documents/2020/1228111223748/ksvol.900.pdf

15%の病院で看護職が離職、新型コロナウイルス感染症流行で-日看協、調査結果を公表(12/22

日本看護協会は、22日、「看護職員の新型コロナウイルス感染症対応に関する実態調査」の結果を公表し、新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、勤務する看護師が離職した病院が15.4%に上ることを明らかにしました。

今回の調査は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う労働環境の変化や、看護職員が受けた差別・偏見などの実態について、病院、介護施設、訪問看護ステーションなどの看護管理者や、感染症に関する専門的な知識と技術を持つ看護師(感染管理認定看護師、感染症看護専門看護師)などに対して実施されました。

病院に対する調査結果をみてみましょう。
調査対象となった病院8,257件のうち、回答があったのは2,765件で、このうち、15.4%で新型コロナウイルス感染症対応による労働環境の変化や感染リスクなどを理由とした離職があったことが明らかに。
感染症指定医療機関に限ると、21.3%にも上ることがわかりました。
また、看護職員の不足感については、34.2%の病院が「看護職員の不足感があった」と回答しており、感染症指定医療機関についてはその割合は45.5%に跳ね上がります。

その他の施設区分では、訪問看護ステーション(有効回収数2,664件)が4.5%、介護施設(有効回答数1,865件)については老健で3.4%、特養は4.0%で離職があったことがわかりました。

これとは別に実施された、看護師、助産師、保健師(有効回答数38,479件)個人に対する調査では、新型コロナウイルス感染症の影響で差別や偏見があったと回答した人の割合は20.5%で、差別・偏見の内容については「家族や親族が周囲の人から心無い言葉を言われた」が「その他」を除いて最多の27.6%を占めました。
そのほかに患者や地域住民、勤務先の同僚から差別を受けるケースも見受けられました。また、同調査から、家族からの理解が得られなかった人の方が、看護職としての就業継続意向が低いこともわかりました。

 

公益社団法人日本看護協会:「看護職員の新型コロナウイルス感染症対応に関する実態調査」結果概要https://www.nurse.or.jp/nursing/practice/covid_19/press/pdf/press_conference1222/01.pdf

高齢者、楽器の練習で認知機能向上を確認京都大学(12/24

京都大学は、24日、高齢者が初心者として楽器の練習に取り組むことで、認知機能が向上することを脳活動の変化から確認したと発表しました。
今回の研究は京都大学大学院総合生存学館の積山薫教授らの研究グループによるもので、128日に、米国の国際学術誌 「Human Brain Mapping」にオンライン掲載されました。

研究チームによると、楽器の練習が脳の加齢による衰えを食い止めるのに有効なのではないかという考えが一般に流布している一方で、学術的な裏づけはほとんど行われていないことから、今回、脳活動の変化に着目した介入研究を実施。
楽器の経験がない、平均年齢73歳の健常高齢者66人をランダムに2群に分け、一方には楽器(鍵盤ハーモニカ)のグループレッスンを4か月受けてもらい、もう一方はその期間に待機し、4 か月後にどのような違いが生じるかを調べました。

その結果、楽器訓練によって言語記憶の成績に有意な介入効果がみられ、楽器の演奏とは直接関係しない言語記憶が向上することがわかりました。
また、簡単な課題をこなしている際の脳活動を計測した結果、介入前より少ない脳活動や部位間の活動同期で同じ成績を上げることができるようになっており、「神経処理効率化」がみられたこともわかりました。
この「神経処理効率化」の一部が、言語記憶の向上に関連していると考えられるとのことです。

これらの結果を踏まえ、研究チームは、高齢者の楽器訓練は認知機能を向上させることが確認されたとまとめています。
ただし、4か月の訓練直後の結果についての知見であることから、加齢による認知機能の低下が顕在化すると考えられる数年後にも持続的な効果があるのかについては、改めて調べる必要があるほか、集団での楽器演奏による「社会的交流」と、「認知訓練」のどちらの効果による結果なのかは現段階では不明であるとしています。
これらの限界があるものの、高齢者が集団で楽器を演奏するプログラムの有効性が確認されたと研究チームは述べています。

 

京都大学:楽器訓練で高齢者の認知機能が向上することを確認-訓練による脳活動の変化を高齢者で初報告-
https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research-news/2020-12-24-0

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