【ニュース振り返り】21年度介護報酬改定を了承―2021年1月後半のニュース3選

ココメディカマガジン編集部が気になる医療・介護業界のニュースをピックアップする「ニュース振り返り」。1月後半は、次期介護報酬改定について改定案が了承され、単位数などの詳細が明らかになりました。また、AIで認知機能低下がみられる患者を判定する、世界初の研究成果も報告されました。それでは早速振り返りましょう!

21年度介護報酬改定を了承、リハ職による訪問看護評価見直しなど(1/18

厚生労働省の社会保障審議会介護給付費分科会は、18日、2021年度介護報酬改定について、改定案を了承し、単位数などの詳細が了承されました。
全体の改定率については、0.70%のプラス改定となりますが、そのうち0.05%については新型コロナウイルス感染症に対応するための特例的な加算で、219月末までの半年間、全ての業種において評価が0.1%上乗せされることとなります。

今回は、以前からご紹介していた、理学療法士などのリハビリ職による訪問看護の評価について解説します。
機能強化型訪問看護ステーションについては、従業者の多くがリハ職の事業者が存在し、このような事業者では医療的処置、ケアが少ないことが問題視されていました。
検討過程では、施設の人員配置基準を「サービス提供を担う職員に占める看護職員の割合を6割以上」とする案などが挙げられていましたが、最終的にはリハ職によるケアの報酬を引き下げることでまとまりました。

リハ職による訪問看護の評価について

下線部分が改定箇所

<訪問看護>

  • 理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士による訪問
    (現行)297単位/(改定後) 293単位/

<介護予防訪問看護>

  • 理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士による訪問
    (現行)287単位/回→(改定後)283単位/
  • 理学療法士等が1日に2回を超えて指定介護予防訪問看護を行った場合
    (現行)1回につき100分の90に相当する単位数を算定→(改定後)1回につき100分の50に相当する単位数を算定 
  • 理学療法士等が利用開始日の属する月から12月超の利用者に指定介護予防訪問看護を行った場合は、1回につき5単位を減算する【新設】

〔算定要件〕

  • 理学療法士等が行う訪問看護については、その実施した内容を訪問看護報告書に添付することとする。
  • 対象者の範囲について、理学療法士等が行う訪問看護については、訪問リハビリテーションと同様に「通所リハのみでは家屋内におけるADLの自立が困難である場合」を追加する。

今回の改定では、このほかに看取り期の対応の充実にかかる改定や、自立支援の取り組み評価見直しなど、様々な点が変更となる予定です。

厚生労働省:第199回社会保障審議会介護給付費分科会(Web会議)資料https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_16033.html

 

訪問看護師も新型コロナワクチンの優先接種対象と明言を-日看協ら3団体が要望書提出1/15

日本看護協会、日本訪問看護財団、全国訪問看護事業協会の3団体は、15日、現時点でワクチンの早期接種対象となる医療従事者の範囲に含まれていない、訪問看護ステーションの訪問看護師について、対象に追加することを求める要望書を厚生労働省に提出しました。

新型コロナウイルス感染症のワクチンについては、接種順位を決めて2月下旬から接種を開始する方針を厚労省が示しており、その中でも新型コロナウイルス感染症患者との接触機会が多い医療従事者は、最優先で接種される見込みとなっています。
しかし、政府が示した「医療従事者」の範囲に訪問看護師が明記されていないことから、日看協らは優先接種対象に訪問看護師を明示することを求める要望書を提出しました。

訪問看護師は、利用者本人や同居家族が新型コロナウイルスに感染した場合でも、休みなくサービスを提供していることに加え、新型コロナウイルス感染者の自宅療養や宿泊療養においても、訪問看護師が支援を行うケースもあるとのことです。
入院調整に要する時間が長期化している現状では、自宅療養や自宅待機を求められる患者も増えており、訪問看護師が果たす役割もさらに大きくなっていると考えられます。

また、小規模事業者が多い訪問看護ステーションでは、感染者が発生するとすぐさま休業に追い込まれる恐れがあり、地域の医療崩壊を防ぐためにも、訪問看護従事者の感染予防が重要であると日看協らは訴えています。

日本看護協会:新型コロナウイルス感染症に係るワクチンの訪問看護師等への早期接種に関する要望書https://www.nurse.or.jp/up_pdf/20210115_01.pdf

AIが顔写真で認知機能低下患者を判定、正答率は93%-東京大学、都健康長寿医療センター(1/27

東京大学医学部附属病院、東京都健康長寿医療センターの研究グループは、人工知能(AI)が認知機能の低下した患者と健常者の顔写真を見分けることができるとの研究結果を発表しました。
この研究成果は、26日にアメリカの科学誌 「Aging」に掲載されました。

認知症は高齢化社会において最も深刻な問題の一つで、早期診断が重要になります。
しかし、認知症の診断のための検査は検査費用が非常に高額だったり、侵襲的であったりと様々な制約があることから、簡単で非侵襲的、安価な認知症のスクリーニングが望まれています。

また、老化は全身的なプロセスのため、顔で判断する見た目年齢は余命、動脈硬化、骨粗鬆症の指標となることが知られており、過去の研究で、見た目年齢が認知機能と強い相関を示すとの結果が報告しています。
そこで研究チームはAIを使って、顔の情報から認知機能低下を見つけられるかを調べました。

今回の研究では、正面の表情のない顔写真を使い、認知機能低下を示す群(121名)と正常群(117名)をAIが判別できるかどうか解析しています。
その結果、最も良い成績を示したAIモデルについては正答率が93%にのぼり、年齢よりも見た目年齢の方が、認知機能のスコアに強い相関があることがわかりました。

研究チームは、今回の研究では人数も限られており、すぐに応用ができるわけではないものの、将来的に AIによって顔で認知機能低下をスクリーニングできるようになることが期待できると述べています。
実用化を目指して、今後さらに研究を進めるとのことです。

東京都健康長寿医療センター研究所:<プレスリリース>「認知機能低下患者の顔を見分けることができるAIモデルの開発」
https://www.tmghig.jp/research/release/2021/0127.html

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