【ニュース振り返り】2020年死亡数、11年ぶりの減少に、人口動態統計速報より―2021年2月後半のニュース3選

ココメディカマガジン編集部が気になる医療・介護業界のニュースをピックアップする「ニュース振り返り」。2月後半は、人口動態統計の速報が公表され、2020年の死亡数が11年ぶりの減少となったことが明らかに。日本人の高齢者に着目したサルコペニアの有病率などの研究成果も報告されました。それでは早速振り返りましょう!

2020年死亡数、11年ぶりの減少に、出生数は過去最低を更新し87万人-人口動態統計速報(2/22

厚生労働省は、22日、2020年の人口動態統計の速報を公表しました。
2020年の死亡数は前年比9,373人減の1384,544人で、11年ぶりの減少となりました。

209月時点の厚労省の報告によると、インフルエンザなどの呼吸器系の疾患による死亡者数が減少しており、新型コロナウイルス感染症対策として、手洗い、うがいの徹底やマスク着用などが広く国民に普及したことも影響している可能性がありそうです。

そのほかに、婚姻件数については537,583 組で、前年から12.7%(78,069組減)と1950年以来の大きな減少率となったほか、出生数についても、前年比25,917人減の872,683人で、過去最低を記録しました。
こちらについても、新型コロナウイルス感染症流行により、婚姻の延期などの影響を受けた可能性があります。

今回の速報値は、日本における外国人、外国における日本人によるものなども含まれ、日本における日本人の報告数をまとめた確定値については、9月頃公表される予定とのことです。

 

厚生労働省:人口動態統計速報(令和212月分)https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/s2020/12.html

サルコペニアで死亡リスク、要介護リスク約2倍上昇-都健康長寿医療センター(2/18

東京都健康長寿医療センター研究所は、18日、日本の高齢者のサルコペニアについて、1,851人を約6年間追跡研究した成果を報告しました。
7579歳では男女ともに2割、80歳以上では男性の3割、女性の約半数がサルコペニアに該当し、サルコペニアになると死亡、要介護化のリスクがいずれも約2倍高まることを明らかにしました。
健康寿命の延伸のためには、サルコペニアの予防及び改善を図ることが有効であると考えられます。

この研究は、同研究所 北村明彦研究部長らの研究グループによるもので、国際学術誌「Journal of Cachexia, Sarcopenia Muscle」に掲載されました。

今回の追跡研究は、群馬県と埼玉県の地域の高齢者健診受診者1,851人(平均年齢72歳)を対象に、平均5.8年間(最大9.5年)行われました。
その結果、サルコペニアの有病率は、年齢とともに上昇し、7579歳では男女ともに約22%80歳以上では男性の32%、女性の48%がサルコペニアに該当していました。
また、サルコペニアの人は、そうでない人に比べて、男性では「身体活動が少ない」「血液中のアルブミン濃度が低い」「喫煙者が多い」「最近1年以内の入院が多い」、女性では「うつ症状が多い」「認知機能の低下が多い」こともわかりました。

さらに、サルコペニアの人は、筋肉量、筋力ともに低下していない人に比べて、総死亡リスクは男性で2.0倍、女性で2.3倍高く、要介護発生リスクは男性で1.6倍、女性で1.7倍高くなることが明らかとなりました。

一方、サルコペニア予備群では、総死亡リスク、要介護発生リスクともに有意には高くならないという結果も示されました。研究チームによると、性差や基礎疾患による影響のほか、若い頃の筋肉量・筋力や、高齢期になってからの筋肉・筋力の減少度によってリスクが異なる可能性があるとのことで、今後の研究課題と考えられるのことです。

今回の研究によって、後期高齢者ではサルコペニアの人が多いことが明らかになったほか、サルコペニアの高齢者は、死亡及び要介護発生のリスクが高く、いわゆる自立喪失の危険性が高いこともわかりました。

研究チームは、高齢期のサルコペニアを早期発見し、運動や生活習慣の改善などによって、その進行を食い止めることは健康寿命の延伸につながる可能性があると述べており、高齢者の保健・介護予防分野に筋肉量や筋力の評価が組み込まれること、また高齢者の筋肉の維持に関する効果的な介入方法が見出されることを期待する、とまとめています。

 

東京都健康長寿医療センター研究所:<プレスリリース>「日本人高齢者のサルコペニアの有病率、関連因子、 死亡・要介護化リスクを解明」
https://www.tmghig.jp/research/release/2021/0218.html

 

花粉症、怪しいときは積極的に新型コロナウイルスの検査を-日本感染症学会が注意喚起(2/18

日本感染症学会は、18日、新型コロナウイルス感染症について、花粉症シーズンでの診療の注意事項を公表しました。

くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの典型的な花粉症症状を訴える患者の中に、新型コロナウイルス感染症患者が紛れ込む可能性があること、また鼻や目に触れる頻度が増すために接触感染リスクも高まることを踏まえ、怪しいと感じたときには積極的に検査するよう求めています。

今回公表された注意事項では、有病率が日本人の4割程度にのぼるといわれるスギ花粉症を中心に、新型コロナウイルス感染症流行期での花粉症・鼻アレルギー診療について、症状の違い、感染防御対策などの診療上の要点がまとめられています。

まず、新型コロナウイルス感染症と花粉症の症状の違いについて、花粉症の場合は初期症状として嗅覚障害・味覚障害は起こりにくいほか、新型コロナウイルス感染症に特徴的な発熱、咳などの呼吸器症状、頭痛、倦怠感などの症状が初期から現れることは少ないとのことです。
また、花粉症でよくみられる、目のかゆみや連発するくしゃみ、鼻水や鼻づまりについては、新型コロナウイルス感染症での発生頻度は低くなっています。

感染防御対策については、花粉症による目のかゆみのために目をこすったり、鼻をかんだりといった何気ない行為が、結膜や鼻腔、口腔などから新型コロナウイルスが侵入するきっかけとなり得ることから、点眼薬での治療によって目のかゆみを抑えることや、手指の消毒が重要と訴えています。
他者への感染予防の観点からも、くしゃみの回数を抑えるために、花粉症治療が大切になります。また、同学会は、スギ花粉症が、新型コロナウイルス感染症を重症化させる危険因子にはならないことが海外の報告で明らかになっているとも指摘しています。

今回公表された注意事項では、これらのほかに、インフルエンザ、風邪、アレルギー性鼻炎都の症状の比較やスギ花粉飛散対策、アレルゲン免疫療法における注意点などについてもまとめられています。

 

日本感染症学会:花粉症患者の中に紛れ込む新型コロナウイルス感染症のリスク― “あやしいと感じたときには積極的な検査を
https://www.kansensho.or.jp/uploads/files/topics/2019ncov/covid19_kafunsho_210218.pdf

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