注目のキーワード オーラルフレイルとは|在宅医療と口腔ケア(第10回)

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「フレイル」という言葉をご存じですか?

2014年に日本老年医学会が提唱した言葉で、もとは「frailty(フレイルティー)」という「虚弱」を意味する英語が語源です。年齢に伴って筋力や心身の活力が低下した状態をさし、健康な状態と、要支援・要介護の状態の中間を意味します。

その「フレイル」の概念の中に、口のことをさす「オーラルフレイル」があります。今回は「オーラルフレイル」についてお話しいたします。

フレイルとは?〜在宅医療においても重要なキーワード〜

人は誰もが、健康→フレイル(虚弱)→要支援・要介護の経過をたどります。「フレイル」の状態を認識することで、健康な状態に戻れる可能性があります。同様に、要支援・要介護状態からフレイルの状態に戻れる可能性もあります。フレイルから健康な状態に戻るよりも、要支援・要介護状態からフレイルに戻ることが難しいといわれています。

フレイルを予防するには?

フレイルの予防には三本柱があるといわれています。

1.運動
(例:1日8000歩を目標に歩く、座った状態で足踏みを5分続ける、軽いスクワットを繰り返す)

2.食事
(例:加齢に伴い不足しがちなタンパク質を補う豆腐・納豆・油揚げなどを積極的にとる)

3.社会活動
(例:町内会やボランティア活動、趣味を通じて主体的に地域社会とかかわる)

この3要素が突出することなく、平均的に行えることが理想的です。特に社会活動の低下が引き金となり、ドミノ倒しのように要支援・要介護状態へと進んでしまう傾向があります。

オーラルフレイルとは?

オーラルフレイルは、口の中の「虚弱」を意味します。歯や口腔機能の微弱な機能低下をあらわす、新しい考え方です。

具体的には、次のような症状に現れます。

■ 滑舌が悪くなった
■ たべこぼしが多くなった
■ わずかなムセが出てきた
■ 噛めない食品が増えてきた

「オーラルフレイル」の状態は、日常生活で大きな支障きたすことはありません。
ですが、そのまま放置していると、低栄養などによる生活機能の低下を誘発し、要介護状態に陥る可能性が高いことが懸念されています。
(平成28年9月18日講演会 東京大学高齢者総合研究機構 飯島 勝矢教授 講演より。)

歯と口の機能低下は、加齢性筋肉減弱症(サルコペニア)や運動器症候群(ロモティシブシンドローム)の前兆と捉えることもでき、歯と口の健康への関心度が低いと、健康にも悪影響を及ぼしかねません。「オーラルフレイル」の予防が、全身の健康にもつながるといえるでしょう。

オーラルフレイルを予防するためには?

「オーラルフレイル」そのものは日常生活では支障をきたすことはありませんが、フレイルと同様に、予防のための「運動・食事・社会活動」の3要素の改善が重要です。
例えば、よく噛んで口を動かし(運動)、しっかり食べ(食事)、人の会話を楽しむ(社会活動)など、簡単にできることから始めましょう。

また、「かかりつけの歯科」を持つことが大切です。痛みなどの症状がでてから受診される方が多いのが現状ですが、まずは歯科に対する意識改革を心がけ、定期的に歯科医院を受診し、口の健康管理を行うようにしましょう。

フレイルを理解し予防することが、介護予防につながる

健康な状態と要支援・要介護の中間の状態を、フレイルと呼びます。フレイルの状態を認識し、予防活動を行うことで健康な状態に戻ることが可能になります。フレイルの予防には、運動・食事・社会活動の3要素とバランスが大切です。この3要素がいずれかに偏ることなく、平均的に行動するのが効果的です。

オーラルフレイルは、口の中の虚弱のことをいいます。最初は、気づきにくい、ささやかな症状に現れます。そのサインを見過ごしたまま放置していると、要支援・要介護状態に移行してしまう可能性が大きくなります。予防するためにも、かかりつけの歯科医師を持ちましょう。

参考文献

・健康長寿ネット
https://www.tyojyu.or.jp/net/byouki/frailty/about.html

・日本歯科医師会
http://www.jda.or.jp/enlightenment/qa/

・ベネッセの介護相談室
https://kaigo-sodanshitsu.jp/informations/karada/disease/knowledge_sick_04_2/

 

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writer
ikegawayuko

【執筆・監修】
池川 裕子(いけがわ・ゆうこ)
医療法人社団活生会 安寿歯科 院長
松本歯科大学卒業後、神奈川歯科大学にて研修。都内の訪問歯科クリニック勤務後、安寿歯科の院長に就任。
多職種の方々に対し口腔ケアの重要性の理解を広めるため首都圏を中心に幅広く活動しています。

▶︎池川先生のインタビュー記事

▶︎医療法人社団活生会 安寿歯科のホームページ

 

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