【在宅介護とリハビリ】現役作業療法士が語る”訪問リハビリ”ならではの工夫4選|訪問リハビリの基礎知識

無料メルマガ登録

訪問リハビリは、在宅介護をされている患者様の自宅で行うため、作業療法士がリハビリを行いやすい環境に整えられている病院や施設と違って、設備や道具は整っていません。

しかし、自宅はまさにしているADL(日常生活動作)の環境であり、作業療法士にとっては日常生活がそのまま「評価できる」、「練習できる」格好の場なのです。

工夫1. 在宅介護では、日常生活動作をリハビリプログラムに

在宅介護の場では、患者様自身はリハビリの必要性を感じていないけれども、家族の希望でリハビリが入っているということがよくあります。
リハビリの必要性をよくよくお話して、理解が得られる方は良いのですが、基本、動きたくない方はなかなかリハビリの導入自体が難しいこともあります。

そんな時は、作業療法士が訪問したら「トイレに行く」、「お茶を飲みに台所まで行く」というように、生活に必要な動作をリハビリにしてしまいます。
中には、「庭のお花を見に行く」という方もいらっしゃいました。

1回でも多く離床できることをまずは目標として、患者様のモチベーションが上がる素敵なことを作業療法士が提案できることが求められます。

工夫2. 訪問リハビリでは、たまには外出もしてみましょう

在宅介護をされている方の現状を知るには、作業療法士自身が実際に患者様と「外出してみる」、「トイレの介助をする」、「着替えをする」などの行動を共に行うと、一番色々なことが分かります。
「百聞は一見に如かず」。家族様やケアマネジャー、ヘルパーなどの情報を聞くよりも、自分が体験した方が「こんなことに困っていたのか」、「○○の方が楽に介助が行なえるな」などの発見があります。

発見できたことが、患者様や介助者が困っていたことの解決になることもあるので、たまにはいつものプログラムはお休みして、患者様と外出してみるのも良いのではないでしょうか?

工夫3. 昔の趣味や特技を訪問リハビリに取り入れる

在宅介護の場では、「昔はね、裁縫が得意で着物も自分で縫っていたんですよ」、「俳句が好きで、新聞にも掲載されたことがあるんですよ」など、素晴らしい才能をお持ちの方にたくさん出会います。
「今はもう、こんなんだから、とても無理だわ。」とおっしゃる方が多いのですが、やはり好きなこと、得意なことは何歳になられても手が勝手に動くのです。

現在でもできて、達成感が得られ、出来上がりの見栄えが良いものを作業療法士が提案します。
毎回のリハビリで少しずつ取り組んで仕上げた作品は、「孫にプレゼントする」、「今度は○○を作りたい」と次の作品の意欲にもつながります。やはり、作業は人の心を動かすのです。

工夫4. 在宅介護では福祉用具の使い方を工夫する

在宅介護の場で重要になってくるのが福祉用具です。ベッド、車椅子、歩行器、ポータブルトイレ、姿勢保持クッション、手すりなど、実に多様な福祉用具が使用されており、導入・選択に作業療法士が関わることも多いです。

例えばポータブルトイレを選ぶ際に、家具調の椅子にもなるタイプを選べば、ベッドから起きて椅子に座る機会が増やせるかもしれません。
手すりがつけられない場所に段差があり、段差昇降に毎度多大な介助を要している場合は、サイドケインを手すり代わりに利用すれば介助が減らせるかもしれません。

本来の使用とは少し異なる使い方に作業療法士が視点を向けることも、在宅介護の現場では大きな意味を成すのです。

福祉用具の選定における作業療法士の役割|福祉用具専門相談員との連携|訪問リハビリの基礎知識

2016.10.18

<まとめ> 在宅介護は作業療法士の工夫次第で変えることができる

在宅介護の現場では、介助方法やリハビリプログラムなどを異なる視点から考えてみることと、発想の転換が非常に重要になってきます。

いかに、この環境で患者様の能力を引き出すことができるかということと、自宅の環境を最大限に活かせる方法はないかということを常に模索し続ける毎日です。
在宅介護のチームでは、作業療法士の生活の工夫のアイデアが求められています。

writer
maiko

リハビリテーション専門病院で5年勤務後、2人の出産育児を挟みながらデイケアに1年、訪問リハビリに5年従事。現在は3人目の育児中で現場から離れているが、育児が落ち着き次第、作業療法士として復帰予定。

ベテラン作業療法士が教える訪問リハビリの10の必需品|訪問リハビリの基礎知識

2016.06.30

無料メルマガ登録

【無料公開中】人気記事を資料にまとめました!

資料ダウンロード「感染予防」