認知症患者の訪問リハビリで気をつけるべき4つのポイント|訪問リハビリの基礎知識

無料メルマガ登録

認知症がある利用者様への介入はどうしてもスタッフ主導で進められやすい側面があります。

しかし、認知症があっても利用者様の個性を活かした介入を行うことで、主体的に人生を送り、QOL(Quality of Life:生活の質)を高めることにつながります。

そこで、今回は認知症のある利用者様に接する際に注意すべき4つのポイントについて紹介していきます。

1. 訪問リハビリで利用者様のご家族が認知症を把握しているかを確認する

認知症がある利用者様に対して介入を行う際に最も重要なのがご家族様との関係です。
ご家族様に認知症がどういったものかを正しく理解して頂き、一緒にケアをしていくという姿勢になっていただくことが利用者様に対してより良い介入を行っていくことにつながります。

特に家族様が脳血管障害からくる高次脳機能障害と、認知症を誤認されているケースは多いです。
高次脳機能障害と認知症は症状も接し方も全く異なりますが、ご家族様にとっては同じに映ってしまうことがあります。

利用者様の行動がどの疾患が原因で起こっているのかを見極め、適切な接し方をお伝えすることはご家族様・利用者様本人のQOLを向上させる上で非常に重要です。

2. 訪問リハビリスタッフは認知症の症状の原因を考える

日常生活において認知症の症状がどのように現れているかを確認することも非常に重要です。
認知症の代表的な症状は見当識障害(日時や場所が分からなくなること)、記憶障害、判断力の低下、失行・失認・失語などの高次脳機能障害などがありますが、これらの症状が日常生活にどう影響を及ぼすかは利用者様により大きく異なります。

同じ認知症でも利用者様のこれまでの人生や、価値観などが症状と密接に関係しあって障害像が作られていきます。
認知症だからと一括りに考えるのではなく、なぜこういった行動が起こっているのかを考え、利用者様に応じた対策を立てることが重要です。

3. 訪問リハビリの中で、認知症の危険行動予防のための提案を行う

認知症があっても利用者様の意志を尊重し、利用者様らしく生活していただくことはもちろん可能です。
しかし、その中で大きな事故に繋がるような危険行動だけはある程度防止するように早急に対応する必要があります。
バランス能力が低下されているにも関わらず、自身の状況を上手く認識できず夜間に徘徊を繰り返した結果、転倒され骨折をされるというケースもみられます。

利用者様の不安を減らし、個性を尊重したアプローチを行うことも重要ですが必ずしもそれで解決しない場合もあります。
そういった場合は一時的にセンサーマットの使用や夜間のみ必要に応じて拘束(4点柵での対応)などを行う必要が出てくることもあります。

4. 訪問リハビリだけではなく利用者様のケアを多角的視点で見る

認知症の方に対しては危険行動を予防することが重要ですが、危険行動を予防することに重点を置きすぎ、利用者様の個性が損なわれないように注意を払う必要があります。
認知症があるとはいえあくまで介入の中心は利用者様です。どうすれば利用者様の個性を引き出すことができるのか、どうすれば不安な表情が消え穏やかに過ごして頂けるのかを考えることが非常に重要です。

そして、利用者様の行動を理解するためには多角的に利用者様を見て介入を進めていく必要があります。
セラピスト1人で悩むのではなくご家族様や利用者様に関わる他のスタッフからも幅広く情報を集め対応を考えることが重要です。

<まとめ> 訪問リハビリでは認知症患者の個性を引き出すことに努めましょう

認知症のある利用者様に対しては中々セラピストの意志が伝わらず、時に治療者側がイライラしてしまうこともあります。しかし、長く付き合っていくことで利用者様の意外な側面や表情が見られることが出てきます。

認知症があっても利用者様の個性を引き出し、利用者様が求めていることを感じ取ろうとする姿勢で介入を続けることが利用者様の生活や周囲との関係を改善させていく上で非常に重要です。

writer
ぷんぺー

回復期のリハビリ病院で3年間の勤務の後、現在は訪問看護ステーションで働き地域でのリハビリを行っています。
「作業療法士の強みを活かしたリハビリとよりよい訪問看護の提案」について悩みながら日々リハビリを行っています。

認知症の中核症状とBPSD(行動・心理症状)を理解する|訪問看護の基礎知識

2016.07.28

認知症患者と接する時に気をつけたい“4つ”のポイント|在宅医療の基礎知識

2015.12.25

無料メルマガ登録

【無料公開中】人気記事を資料にまとめました!

資料ダウンロード「感染予防」