臥位から立位をとってもらう介助のコツとは?|訪問リハビリのノウハウ集

訪問リハビリで利用者様のリハビリをしたあと、利用者様はどのように過ごしているのでしょうか。心当たりがある方はこういわれるでしょう「寝ている」と。

なぜ利用者様が寝てしまうのか、それは自分一人では動けないからです。自分一人でも動けるようになるためには基本動作の練習が必要です。

訪問リハビリは利用者様の社会復帰の入り口

訪問リハビリの利用者様の介護プランのほとんどは、訪問リハビリとデイサービス、訪問リハビリと入浴サービス、訪問リハビリと訪問看護、などです。
主に介護に重点を置いたプランになっています。これは身体機能の低下が大きい方や、外出や交流を好まない方が利用するプランです。

訪問リハビリに行くと、その時だけは動いてくれるのですが、リハビリの時間が終わればベッドに戻ってしまいます。リハスタッフとしては、とても残念です。

リハビリは、利用者様が生き生きと生活できるようになるために行います。利用者様がリハビリの後も「自分で動きたい」と動いてくれ、やがて外出を重ねて社会復帰したくなるように、気持ちを高める必要があります。

訪問リハビリから外出につなげるために基本動作を練習します

訪問リハビリの良いところは、外出が困難な利用者様の家にリハビリスタッフが来てくれることです。
身体機能回復に熱心な利用者様の場合は、機能訓練を進めて、デイサービスやデイケアなどへ介護プランを移行していきます。

しかし、機能訓練に意欲がわかない利用者様は、いつまでも訪問リハビリから先へ進めません。ADLの回復も困難です。ところが、利用者様を見ていると、利用者様が積極的に動きたくなるADLがありますよね。

それは、トイレです。

訪問リハビリの最初は、ベッドからポータブルトイレに行く動作を練習すると、リハビリが進みやすくなります。ポータブルトイレに行くためには、まず、ベッドから起き上がる練習をします。

実践テクニック①|基本動作は臥位からの起き上がりが最初

ベッドから起き上がる動作には、寝返りが必要です。仰向けに寝た状態から、ポータブルトイレのある方向に寝返りをうち、ベッド柵を持って、足を前に曲げてベッドから出します。
そして、下腹部に軸があるつもりで、足を下ろしながら手で体を押し上げる、もしくはベッド柵につかまって頭を起こします。

臥位から頭を起すのは体力が必要です。利用者様の体力が足りなくて起き上がれないことも多いのですが、何度も練習を重ねているうちに体力がつき、起き上がれるようになります。起き上がり方は利用者様の状態によって方法が変わります。
しかし、基本は、臥位から寝返りをして、下腹部を中心に足を下げながら頭を上げる動作です。

介助者も、この基本を踏まえて介助をすると、利用者様の力を使って起きてもらえるので、介助もしやすくなり、利用者様の体力もつきます。

自分の力で起き上がれるようになった利用者様は、表情が変わります。目に見えてしっかりとした表情になります。

実践テクニック②|臥位からの立ち上がりができると自信がつきます

臥位から座位がとれるようになっても、ポータブルトイレには行けません。立位を取る必要があります。
そこで、立位の練習をします。わたしは訪問リハビリの利用者様が立位を取れるようになったときに「立てた!」と抱きついて泣かれたことがあります。その後、その方はメキメキと回復されました。

座位が取れる利用者様に立位をとってもらう介助のコツ|訪問リハビリのノウハウ集

2016.09.30

立位が取れることは、気持ちの面でも重要なのだと思いました。
立位といってもつかまり立ちができればいいので、手すりを持って、下肢に体重をかけます。そして、自分でパンツの上げ下げができる程度の立位バランを保てるように練習します。

 

<まとめ> 利用者様が日頃から動きたくなるような環境づくりが最も大事

訪問リハビリの利用者様には、寝たきりや閉じこもっている方が多くいます。
そこを起きて、自分で活動したくなるように気持ちを高めるところが、訪問リハビリのスタートになります。

まずは臥位から起きる、起きたら立位を取る練習をして、利用者様が積極的に動きたくなるように、基本動作の練習を進めます。
介助者にも協力してもらって、利用者様の体力をつけましょう。

writer
仲光久代

作業療法士を20年以上やっています。ケアマネと社会福祉主事資格あり。
総合病院と精神科病院へ勤務の後、現在は介護施設の通所リハとショートステイ部門を担当しています。

体位変換の基礎知識と実践|訪問介護技術の基礎知識

2016.09.13

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