作業療法士と看護師のコミュニケーションで大切なポイント|訪問リハビリの基礎知識

訪問リハビリで働く作業療法士にとって、看護師との連携は欠かせません。医療的ケアが必要な患者さんも多く、患者さんの情報共有はリハビリを進めるうえでも不可欠です。

作業療法士が看護師とコミュニケーションをとる際に、特に、どのような点に気を付けるべきなのかをみていきましょう。

訪問リハビリ前に看護師から患者さんの状態を確認する|訪問リハビリの基礎知識

訪問リハビリを担当する患者様に、訪問看護が入っているケースも多いでしょう。そのような場合は必ず、訪問リハビリ前に看護師から訪問看護時の患者様の様子を聞き取りします。訪問看護が入っている患者様は医療的ケアが必要な方であり、急な変化も予測される方です。

リスク管理のためにも、必ず訪問看護時の患者様の様子を確認し、何か体調面で変わった点はなかったか、リハビリ時に気を付けなければいけない点はないかを確認しましょう。
事前に情報を得ていると、患者様の変化にも気づきやすくなり、リハビリメニューや負荷の調整をする場合にも役立ちます。

訪問リハビリでは看護師から「しているADL」を聞く

作業療法士も、訪問リハビリ時に患者様の「しているADL」のチェックを行うことはありますが、リハビリの時間に行うので、実際にADL場面を設定して、患者様にお願いして行っていただくことが多くなります。

ですが、まさに「しているADL」の現場でケアしているのが看護師です。入浴介助や着替え、排泄ケア、洗面、食事介助、服薬介助など、実際にケアとして看護師は業務を行っているので、普段の患者様の様子やご家族様の関わり方などを良く知っています。

普段はどのような環境、方法で行っているのか、どのようなことに介助が必要なのかなどを詳しく聞いてみましょう。訪問リハビリ時にはみられない患者様の姿を知ることができるはずです。

訪問リハビリ、家族様との関係性や社会的背景は看護師に聞こう

患者様の身体能力や高次脳機能など、患者様が持っている能力を最大限活かした環境設定を行い、日常生活に必要な動作を獲得するためのプログラムを実施することは作業療法士の得意分野です。
しかし、訪問リハビリの現場では、自宅という環境であるがゆえに家族様との関係や社会的な背景が大きく絡んできます。

看護師は生活のケアに直接的に関わるので、家族様とのコミュニケーションを図る機会も多く、社会的な背景の情報もたくさん持っています。
作業療法士が患者様のADLレベルを上げるために良いと提案したことも、家族様のご意向から他の方法が良いかもと意見をもらうこともあり、やはり総合的に患者様を捉えるには看護師とのコミュニケーションは欠かせません。

訪問リハビリでは体調のこと、薬のことは看護師に確認するのが一番

訪問リハビリに訪れると、「この薬は・・・」、「便が3日間出ていないんだけど・・・」などと相談を受けることも良くあります。訪問看護が入っていて、服薬管理や排便コントロールのケアが行われている場合は、作業療法士が安易に答えない方が良いと思っています。

「この運動は何回したらいいの?」や、「足に力が入るようにするにはどうしたらいいの?」など、自主トレーニングや筋力をつけるためにはどうすれば良いかなど、リハビリのことについては答えられますが、ケアに関わることについての言及は避けるようにしています。
間違った情報を伝えてしまうよりも、確実な情報を伝えるために、「看護師さんに確認してまた後で連絡しますね」と答え、看護師の判断を仰ぎます。

「本人に伝えるよりも家族に伝えた方が良い」ことや「医師に報告しておいた方が良い」ということもあるからです。作業療法士では判断できない体調面の変化も看護師に伝えて対応を確認するようにします。作業療法士もリスク管理は行いますが、やはり体調面の変化は看護師がいると心強いですね。

作業療法士から看護師へ「できるADL」を伝える

作業療法士からリハビリの場面で「こんなこともできる」、「こんなことに挑戦している」という情報を伝えることも大切です。看護師にリハビリで今、行っていること伝えると、「○○ができるの?じゃあ、今度△△の方法でも試してみるね」や、「看護師が同じ方法で介助できたら今度はヘルパーさんに介助してもらえるようになるかも?」など患者様のADL向上に向けての意見交換がなされ、目標に向けての新しい一歩にもつながります。

訪問リハビリでは看護師と一緒に患者様を支援する

訪問リハビリでは作業療法士は一人で訪問するので、患者様の体調面の情報を看護師から確認しておくことはリスク管理において不可欠です。
また、総合的に患者様の方向性を考える時にも看護師が持っているケア時の様子やご家族様との関係性などの情報共有は大切です。

作業療法士からもリハビリの場面では「こんなこともできる」、「こんなとことをした」という情報を伝えることも、実際のケア場面にもつながり、看護師と情報共有をしながら一緒に患者様を支援していくことが大事なのだと考えます。

writer
maiko

リハビリテーション専門病院で5年勤務後、2人の出産育児を挟みながらデイケアに1年、訪問リハビリに5年従事。現在は3人目の育児中で現場から離れているが、育児が落ち着き次第、作業療法士として復帰予定。

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