冬の訪問リハビリで気をつけること(介入方法や準備事項など)|訪問リハビリの基礎知識

冬は訪問リハビリにおいてもトラブルが多い時期です。寒さの影響で何らかの体調不良を訴えられる利用者様も多く、リハビリの進行に支障をきたすこともあります。

今回は冬の訪問リハビリにおける注意点や具体的な介入方法、心構えなどを紹介していきます。

冬の訪問リハビリではまず「心疾患」に注意!|訪問リハビリの基礎知識

冬に最も注意が必要なのが突然の心停止など心疾患リスクが高まることです。特に10月~4月頃にかけては心停止が起こるリスクが高いと発表されており、注意が喚起されています。

冬に心疾患が増える原因は生活環境が関係していると言われていますが、特に注意が必要なのが入浴場面です。
浴室と脱衣室には温度差がある家が多く、温かい浴室から寒い脱衣室に出た際に血圧が急激に上昇することがあります。

血圧の急激な変動を防ぐためにリハビリスタッフも自宅に訪問した際に入浴状況のヒアリングやお風呂の環境を確認し、場合によっては環境設定を提案することも大切です。

冬の訪問リハビリでは筋肉の状態を気にかける

もう1つ、心臓の他に影響を受けやすい箇所として筋肉があります。冬場は筋肉の強張りを訴えられる利用者様も多いですが、これにもやはり寒さが関係しています。

寒く感じると、人は無意識に身を縮めて外気から身体を守るようにしますが、その影響で全身に余計に力が入ってしまい強張りにつながってしまう場合もあります。
特に屋外歩行などを行う際は身体が強張り上手く歩けない方もいらっしゃいます。
そういった場合は衣類の調整や場合によっては冬の間は屋内で行えるプログラムを中心に組み立てることも大切です。

冬の訪問リハビリは「痛み」との戦い

筋肉の強張りと合わせて多い訴えに痛みがあります。寒い時期は身体が強張り、神経も興奮して過敏な状態となりやすいです。
こうなると当然痛みも出やすくなり、冬になると毎年のように痛みが出るという方もいらっしゃいます。

ここで大切なことは痛みが起こっている原因をセラピストが冷静に判断することです。例えば、冷えて痛みが起こっている場合には湿布薬などの痛み止めを安易に使うと長い目で見ると逆効果になってしまうこともあります。
入浴後に痛みが減るようであれば冷えが痛みの可能性が高いので、そういった場合は痛む箇所や強張りや痛みの根本となっている箇所を温めるように指導することが重要です。

冬の訪問リハビリは利用者様の気分に合わせて行うことも大切

寒い時期はなんとなく体調が優れず、気持ちも落ち込み気味で上手くリハビリが進まないという方もいらっしゃいます。
冬は室内・室外の寒暖差も大きくなりやすく自律神経のバランスが乱れる方も増え、このことが心身の不安定さへとつながります。

大切なことは利用者様の1年の経過をしっかりと把握し、それに合わせて介入することです。
どうしても気分も体調も優れず上手くリハビリが進まない場合は焦らず冬場は体調の維持や気分の向上を目標に切り替えることも大切です。
利用者様のサイクルに合わせたアプローチ方法を検討することもセラピストにとっては必須です。

冬の訪問リハビリは準備期間と割り切ることも重要

冬は何かとトラブルも多く、リハビリスタッフも利用者様も思った通りにリハビリが進まず歯痒い思いをすることの多い時期です。
しかし、この時期はそういう時期だとあえて割り切ってしまうことも時には大切です。

全員が直線的に良くなるのではなく、利用者様ごとにペースがあります。それに寄り添い、スタッフの冷静な対応が求められやすい時期が冬で、スタッフの力量が試される時期でもあります。

writer
ぷんぺー

回復期のリハビリ病院で3年間の勤務の後、現在は訪問看護ステーションで働き地域でのリハビリを行っています。
「作業療法士の強みを活かしたリハビリとよりよい訪問看護の提案」について悩みながら日々リハビリを行っています。

冬場のリハビリでは、寒くなったら要注意!高齢者の寝たきりにつながる事故|訪問リハビリの基礎知識

2016.11.10

【無料公開中】人気記事を資料にまとめました!

資料ダウンロード「感染予防」