冬場のリハビリでは、寒くなったら要注意!高齢者の寝たきりにつながる事故|訪問リハビリの基礎知識

無料メルマガ登録

冬になり寒い日が続くようになると、高齢者の方はふとしたことで体調を崩しがちになったり、転倒を起こしてケガをしやすくなったりします。こうした状況は思わぬ事故につながり、場合によってはそのまま寝たきりになってしまうケースもあります。

在宅で生活する利用者さんの中には、利用されているサービスが訪問リハビリだけ、というケースもたまにあります。そのため、訪問リハビリの従事者は、利用者さんの冬場の体調には特に注意を払う必要があります。

今回は、寝たきりにつながりやすい冬場の事故や、体調の変化について紹介していきたいと思います。

冬は高齢者の転倒が増加!リハビリでしっかり対策を|訪問リハビリの基礎知識

高齢者の冬場の事故として注意しなくてはならないのが、「転倒」です。寒さで筋肉が固くなり、体が動かしづらくなってしまうと、ほんの小さな段差等でも躓いてしまうことがあるので注意が必要です。

それに加えて、冬場はどうしても厚着をしがちです。
着込み過ぎて動きが鈍くなることや、靴下をはいて足元が滑りやすくなることでも転倒のリスクは高まります。

また、冬場の室内環境は転倒しやすい条件がそろいがちです。カーペットの角に足が引っ掛かったり、暖房器具のコードに躓いて転倒してしまったというケースもあります。

転倒による骨折は、高齢者が寝たきりになる原因の一つです。
訪問リハビリで室内環境を整備して、骨折につながるような転倒を起こさせない工夫をすることが必要です。

リハビリの一環として、冬場に外出訓練を行う場合は、さらにきめ細かい配慮が必要になります。
路面の凍結や積雪に足を取られて転倒するリスクが高まるだけでなく、冷たい外気にさらされることで血圧の上昇や不整脈等のリスクも上昇します。

こうしたリスクを少しでも軽減するため、冬場に屋外でのリハビリを行う場合は朝の早い時間帯ではなく、日中日差しが出ている時間帯に行うことをお勧めします。
もちろん、事前にしっかりウォーミングアップを行って、体の準備を整えておくことも重要です。

冬場はヒートショックに注意!リハビリ前にしっかり準備しよう

冬になると、ニュースや新聞などで「ヒートショック」という言葉を頻繁に目にするようになります。
ヒートショックとは急激な温度変化によって血圧や脈拍が影響を受け、脳卒中や心筋梗塞のリスクが高まる現象のことを言います。

ヒートショックは温かい部屋から気温の低い廊下やトイレ、浴室などへ移動することでも起こります。
リハビリで温かい部屋から寒い場所へ移動する際には、ヒートショックを起こさないように注意が必要です。

ヒートショックの予防のためには、各部屋の温度差をできるだけ少なくすることがポイントとなります。リハビリをはじめる前に暖房器具で温めて寒暖差を少なくしておくと良いでしょう。
また、訓練前に軽くストレッチなどの準備運動をして、血液の循環を良くして体を温めておくと、温度変化による刺激を和らげることができます。

冬場のヒートショックは入浴時に特に起こりやすいため、リハビリの時にセラピストが注意するだけでなく、利用者様やご本人に対する生活指導として日常でできる対策をお伝えすることも大切です。

冬場のリハビリは脱水に注意が必要!

脱水というと気温の高い夏に起こしがちなものと思われがちですが、実は高齢者にとっては冬場の方が脱水を起こしやすい条件が整っています。

冬になると空気が乾燥して体の水分が奪われやすくなりますが、さらに暖房器具の利用やお風呂での長湯によってゆっくりと脱水が進行していきます。冬になると寒いトイレまで移動するのが億劫になるため、水分を控えてしまう方が多いのも問題です。

脱水状態になるとめまいやふらつきが起こりやすくなり、転倒リスクも高まりますが、さらに脱水の症状が進むと意識障害やけいれんなどを起こし、死に至るケースもあります。

怖いのは、脱水は本人に自覚がない場合が多いということです。脱水による寝たきりを防ぐためにも、リハビリ前後にはできるだけ水分をとっていただくようにしましょう。

また、皮膚からの水分の蒸散を抑えるために加湿器の使用や、経口補水液による効果的な水分補給など、日常で出来る脱水対策を利用者様やご家族へ指導することも大切です。

冬は感染症に注意!リハビリ従事者が媒介とならないように対策を!

冬になると、様々な感染症が猛威を振るいます。
抵抗力の弱い高齢者は感染症にかかると重症化しやすく、これがきっかけとなって入院したり、寝たきりになってしまうこともあります。

特に、毎年のように猛威を振るっているインフルエンザやノロウイルスによる感染性胃腸炎などは、様々な合併症を引き起こすこともあるため注意が必要です。

リハビリ従事者は、自分が感染症にかからないことはもちろん、感染症の媒介者とならないような対策が必要です。手洗い、うがい、マスクの着用など基本的な感染予防対策を行うだけでも、多くの感染症は防ぐことが可能です。

利用者様やご家族へも感染予防に関する知識や対処法を共有していただき、感染症を予防していきましょう。

冬に起こりがちな事故、リハビリから防止しよう

冬の寒さは高齢者の身体機能に様々な影響をもたらします。
普段なら気にならないようなことでも、大きな事故に繋がったり、身体機能の低下に結びついたりします。

しかし、事前に対策を行うことで、これらの影響を最小限にすることも可能です。冬場の事故から寝たきりになるのを防ぐため、リハビリからどんどん情報発信し、利用者様の健康的な生活を守っていきましょう!

writer
minimix

総合病院の作業療法士として急性期、回復期、維持期、訪問の各分野で経験を積んできました。
育児のために昨年から現場を離れましたが、ゆくゆくは同じく作業療法士である夫とともに、地域に根差したリハビリに携わりたいと思っています。

冬の訪問リハビリで気をつけること(介入方法や準備事項など)|訪問リハビリの基礎知識

2016.11.03

無料メルマガ登録

【無料公開中】人気記事を資料にまとめました!

資料ダウンロード「感染予防」