ご家族への介助方法の提案方法|訪問リハビリの基礎知識

生活に介助が必要な利用者様が在宅生活を送るにあたっては、ご家族の協力が必要不可欠です。しかし、ほとんどの場合、ご家族は「介助」を行うことに関しては初心者です。訪問リハビリに携わるセラピストにとって、利用者様のご家族に対してどのような介助方法を提案していくかは特に気を付けるべきポイントとなります。

今回は訪問リハビリでご家族に介助方法の提案を行う場合に気を付けておきたいポイントについて考えてみたいと思います。

訪問リハビリで介護力を見極め、ご家族の健康を守る介助方法を提案しよう!|訪問リハビリの基礎知識

訪問リハビリを利用されている利用者様やそのご家族に対して介助方法の提案を行う場合、まずクリアしておきたいのが、それが 介助者にかかる身体的・精神的な負担をより少なくできるような方法であるかどうか、ということです。
利用者様にとってどんなに安全で快適な方法であったとしても、介助者(この場合ご家族)に大きな負担がかかるようであれば、その方法を継続して行うことが難しくなってしいます。

基本的に介護には休みはありません。365日、介助者が安定して楽に行うことができる介助方法を提案することが理想です。
そのためにも、訪問リハビリに携わるセラピストはご家族としっかりとコミュニケーションを取りながら、それぞれの介護力を見極め、無理のない介助方法を提案する必要があります。

現在の生活環境に合った介助方法か、訪問リハビリ中に確認を

通常の場合、利用者様の退院が近くなると、入院中の担当セラピストが退院後の介助方法の提案や介助指導を行っているはずです。

しかし、退院が決まってから自宅に帰るまでの期間が短く、ご家族が介助方法を習得する前に在宅生活がスタートしてしまったり、ご自宅の環境と入院中に想定していた環境に相違が生じて戸惑ったりするケースも多く、適切な方法で介助が行なわれていないということもあります。

そのため、訪問リハビリ開始時には必ずご家族がどのような介助方法で介助を行っているのか確認を行い、必要があれば修正したり、新しい提案を行なう必要があります。
介助方法の提案や指導は一度行えばよいというものではなく、利用者様やご家族の状況に合わせて継続していくことが大切です。それによって、実生活に合わせた快適な方法が定着していくのではないかと思われます。

訪問リハビリの視点から、活動につなげるための介助方法を提案する

訪問リハビリにおいてご家族に介助方法を提案する場合、基本的には双方の安全性を重視した方法を提案しています。

しかし、訪問リハビリの視点からすると、それだけでは不十分です。
在宅生活においては、利用者様は今ある能力を維持・向上させることができるように、普段の生活の中で活動量を確保しなくてはなりません。
もし、安全性を重視するあまり全介助で動作を行うという方法を取った場合、せっかくの利用者様の能力を発揮する機会を奪ってしまうことになり、今以上に介助量が増大してしまうかもしれません。

セラピストは単に安全性のみを重視するのではなく、利用者様やご家族が在宅でどのような生活を行いたいのかを十分に知った上で、今ある能力を活かし、介助のその次にある活動につなげることができるような介助方法を提案するという大切な役割を担っているのです。

正しい介助方法が定着するまでは、必ず確認を!

最初にお話ししたように、介助を行うご家族のほとんどは「介助初心者」です。どんなに分かりやすい介助方法を提案したとしても、多くの場合、ご家族が目的にかなった正しい介助を行えるようになるまでには練習が必要です。

訪問リハビリのセラピストは、ただ介助方法を提案するだけでなく、正しい介助方法がご家族に定着するまで、きちんとフォローを行うことが大切です。
セラピストがご家族に対して直接介助の指導をするだけではなく、手順を書いた張り紙を居室に貼らせて頂いたり、正しい動作をビデオに撮って繰り返し見ていただいたり…と、いろいろ工夫してみるのも良いのではないでしょうか。

ご家族だけで介助が可能になった場合でも、介助が自己流になっていないか時々確認することも大切です。誤った介助方法を続けていると、ご家族が体を痛めてしまったり、思わぬ事故に繋がってしまうこともあるため、注意が必要です。

しっかりご家族の気持ちを汲みながら介助方法の提案をしよう

利用者様やご家族は日々の介助の中で、不安になったり、疑問が生じてきたり、もっとこうしたいという気持ちが湧いてくる場合があります。
セラピストはこうした気持ちを汲みながら、相手にとって最適な介助方法の提案を行っていくことが求められます。

日々利用者様の介助を行っているご家族としっかりコミュニケーションを取ることで真のニーズを把握し、介助する側もされる側も笑顔になれるような方法を提案していきたいものですね。

writer
minimix

総合病院の作業療法士として急性期、回復期、維持期、訪問の各分野で経験を積んできました。
育児のために昨年から現場を離れましたが、ゆくゆくは同じく作業療法士である夫とともに、地域に根差したリハビリに携わりたいと思っています。

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