【訪問リハビリ】退院はゴールではなく再スタート!気づかされた患者さんの再入院

総合病院の作業療法士として勤務していた私にとって、患者様の自宅退院は「作業療法のゴール」でしたが、患者様の再入院をきっかけに「退院はゴールではなく再スタート」であることを思い知らされます。以来、その再スタートを支援できる訪問リハビリに惹かれるようになり、数か月後にはその世界に飛び込んでいました。

 

1.訪問リハビリと無縁の病棟勤務時代、自宅退院を重視

私は総合病院の作業療法士として勤務していました。急性期から維持期まで、それぞれのステージでそれなりに経験を積んでいった私は、入院中の作業療法のゴールである「自宅退院」に重きを置いてリハビリを行っていました。

患者様の自宅退院はご本人に喜ばれるだけでなく、病院の売りである自宅退院率のアップや私自身の達成感にもつながり、「一石二鳥」ならぬ「一石三鳥」だったからです。私はそのゴールに向けて、ご本人やご家族から生活状況を聴取したり、実際に家屋調査に足を運んでの環境調整や動作指導を行ったりと、作業療法士としてできるだけのことは行なっていたつもりでした。

2.訪問リハビリは不要と判断した患者様がまさかの再入院

ある時、訪問リハビリなどの在宅サービスをあえて入れずに退院してもらった患者様が再入院されました。原因は転倒による大腿骨の骨折です。退院前に念入りに動作チェックを行い、家族指導も完璧に行っていたはずの患者様の再入院は私にとってかなりショックでした。
退院時に設定した動作レベルが高すぎたのか、活動量の低下による動作レベルの低下なのか…。

転倒の原因をあれこれ考えているうちに、居ても立ってもいられなった私はその日のうちに患者様の病室を訪れました。そこで、ご家族から聞かされた転倒の原因は意外なものでした。

3.訪問リハビリを導入していれば防げたかもしれない転倒

その患者様は退院後、ご自宅での生活の中で「もっと自分でできることを増やしたい」という気持ちが膨らみ、色々なことに積極的にチャレンジされていたそうです。
それ自体は喜ばしいことなのですが、そのうちに動作をどんどん我流で行うようになり、ついには転倒されたということでした。

それを聞いて、たとえ入院中に十分と思えるだけの動作訓練を行ったとしても、それが退院後の患者様の生活に即した支援にはならないということを実感するとともに、もし訪問リハビリを導入していれば転倒を防げたばかりでなく、ご本人の能力をもっと伸ばすことができたのではないかと考えさせられました。

4.生活に寄り添った支援が行なえる訪問リハビリの魅力

それまでは「自宅退院が作業療法のゴール」という認識だった私ですが、それはあくまでの病棟作業療法士としての視点にすぎませんでした。
患者様にとって退院はゴールどころではなく、再スタート地点であったのです。患者様が安心してそのスタートを切り、自分らしい生活を獲得するためには、患者様の視点に立った専門的な支援が欠かせません。

病院という枠を超え、患者様の生活に寄り添いながら支援を行うことができる訪問リハビリに強い魅力を感じた私は、その後、訪問リハビリ部門への異動の希望を上司に申し出たのです。

【まとめ】訪問リハビリの世界に飛び込み、新しい世界を知る

それから数か月後、私は念願の訪問デビューを果たしました。実際に飛び込んでみると、訪問リハビリの世界はとても刺激的でした。
患者様のフィールドでリハビリを行う訪問ならではの難しさはありますが、「患者様」としてではなく、「生活者」として退院後の人生を歩む方たちに寄り添えることに大きなやりがいを感じます。
訪問リハビリに携わる作業療法士の1人として、今後も専門性を活かした支援を行っていきたいと思っています。

writer
minimix

総合病院の作業療法士として急性期、回復期、維持期、訪問の各分野で経験を積んできました。
育児のために昨年から現場を離れましたが、ゆくゆくは同じく作業療法士である夫とともに、地域に根差したリハビリに携わりたいと思っています。

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