【在宅医療&訪問看護】2020年度診療報酬改定、詳細が決定!ポイントを解説します

27日に実施された中央社会保険医療協議会の総会で、次回診療報酬改定の詳細がついにまとまりました。「医師の働き方改革」が重点課題として位置づけられ、それに関連する変更が多く盛り込まれた、2020年度診療報酬改定。在宅医療については、どのような変更があるのでしょうか。在宅医療と訪問看護の変更点について、ココメディカマガジン編集部が気になるポイントをピックアップし、解説していきます。

重点課題は「医師の働き方改革」。在宅医療については小幅改定に

厚生労働省の中央社会保険医療協議会は27日、2020年度診療報酬の改定案について了承し、加藤勝信厚生労働相に答申を行いました。
地域の救急医療に積極的に取り組む医療機関を評価する「地域医療体制確保加算」を新設するなど、重点課題と位置付けられた「医師の働き方改革」について対応した内容となり、在宅医療については、前回
2018年度改定を引き継いだ、小幅な見直しにとどまりました。
また、訪問看護については、リハ職が多くを占める機能強化型訪問看護ステーションの基準が見直されるなど、評価の適正化が行われました。

なお、改定率については、診療報酬本体は0.55%の引き上げ、薬価と材料価格はそれぞれ0.99%、0.02%の引き下げとなり、全体では0.46%のマイナス改定となりました。

今回は、在宅医療と、評価が見直された訪問看護について、気になる点をピックアップしてご紹介します。

掲載時点では、2020年度診療報酬に関する告示、通知などがまだ発出されていないため、参照元として、現行制度の根拠となる告示、通知をご紹介しています。

【在宅医療】在宅患者訪問診療料、適切な情報共有で、6月を超えて算定可能に

2018年度診療報酬改定から、複数の医療機関で、在宅患者訪問診療料を最長6か月間算定することが可能になりました。

今回の改定では、診療状況を連携先の医療機関と情報共有し、主治医が把握した場合には、6か月を超えて算定できるよう要件が変更されます。

中医協による改定事項の検討段階では、他の医療機関に長期にわたって訪問診療を依頼するケースが増えている一方で、主治医と依頼先の医療機関との情報共有が不十分であるとの実態が指摘されていました。
課題解決に向けた変更といえるでしょう。

【在宅患者訪問診療料
Ⅰ)2】     

[算定要件]

C001 在宅患者訪問診療料(Ⅰ) (7)

2」は、当該患者の同意を得て、計画的な医学管理のもと、主治医として定期的に訪問診療を行っている保険医が属する他の保険医療機関の求めを受けて、当該他の保険医療機関が診療を求めた傷病に対し訪問診療を行った場合に、求めがあった日を含む月から6月を限度として算定できる。ただし、当該他の保険医療機関の求めに応じ、既に訪問診療を行った患者と同一の患者について、当該他の保険医療機関との間で必要に応じて情報共有し、主治医である保険医がその診療状況を把握した上で、医学的に必要と判断し、以下に該当する診療の求めが新たにあった場合には、6月を超えて算定できる。また、この場合において、診療報酬明細書の摘要欄に、継続的な訪問診療の必要性について記載すること。

その診療科の医師でなければ困難な診療

既に診療した傷病やその関連疾患とは明らかに異なる傷病に対する診療

 

参照(現行制度):診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について 別添1(平成3035日保医発03051号)

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000205632.pdf

 

【在宅医療】医療資源の少ない地域、280床未満の医療機関も在支病として届出可能に

医療資源の少ない地域で、在宅療養支援病院として届け出る場合、必要となる病床数を240床から280床に変更され、要件が緩和されました。
なお、通常地域の病床数については、
200床のまま変更ありません。

【在宅療養支援病院 施設基準】

          

   

[施設基準]

14 2 在宅療養支援病院

1 在宅療養支援病院の施設基準

次のいずれかに該当するものであること。

(1) 次のいずれの基準にも該当するものであること。

保険医療機関である病院であって、許可病床数が200床(基本診療料の施設基準等別表第62に掲げる地域に所在する保険医療機関にあっては280)未満のもの又は当該病院を中心とした半径4キロメートル以内に診療所が存在しないものであること。

(2) 他の保険医療機関(診療所又は許可病床数が200床(基本診療料の施設基準等の別表第62に掲げる地域に所在する保険医療機関にあっては280)未満の病院に限る。)と地域における在宅療養の支援に係る連携体制を構築している病院であって、次のいずれの基準にも該当するものであること。

保険医療機関である病院であって、許可病床数が200床(基本診療料の施設基準等別表第六の二に掲げる地域に所在する保険医療機関にあっては280)未満のものであること。

(3) 次のいずれの基準にも該当するものであること。

保険医療機関である病院であって、許可病床数が200床(基本診療料の施設基準等別表第62に掲げる地域に所在する保険医療機関にあっては280)未満のもの又は当該病院を中心とした半径4キロメートル以内に診療所が存在しないものであること。

参照(現行制度):特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(保医発03053号 平成3035日)

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000205634.pdf

 

【在宅医療】在支病、24時間の往診体制を確保することで、往診担当医師の病院外待機も可能に

在支病の施設基準では、24時間の往診体制を確保すること、また往診を担当する医師と当直の医師が別であることが求められます。
今回の改定では、往診担当の医師が、緊急時の連絡体制と
24時間の往診体制を確保している場合、自宅など病院以外の場所で待機(オンコール待機)することが可能であることが明言されました。

在支病は、診療報酬上、点数を高く算定することができる一方で、24時間の往診体制や、往診担当・当直担当医師の確保が難しく、届出の妨げになっていることが以前から指摘されていました。

【在宅療養支援病院 施設基準】

          

   

[施設基準]

142 在宅療養支援病院

在宅療養支援病院の施設基準

(1)

往診を担当する医師は当該保険医療機関の当直体制を担う医師とは別のものであること。なお、往診を担当する医師については、緊急時の連絡体制及び24時間往診できる体制を確保していれば、必ずしも当該保険医療機関内に待機していなくても良いものとする。

※ (2)(3)についても(1)と同様の取り扱いとする。

参照(現行制度):特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(保医発03053号 平成3035日)

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000205634.pdf

【訪問看護】機能強化型訪問看護ST、非常勤職員の労働を常勤として一部換算可能に

機能強化型訪問看護管理療養費の算定要件の一つとして、常勤職員の人数が設けられています。これまでは常勤職員のみで満たす必要がありましたが、今回の改定で、その一部(1人)を非常勤職員の実労働時間を換算し、充当することが可能となります。

重点課題として位置づけられた「医師の働き方改革」が反映された形となっています。

【機能強化型訪問看護管理療養費】

          

   

[施設基準]

別添 届出基準

6 機能強化型訪問看護管理療養費

() 機能強化型訪問看護管理療養費1

ア 常勤の保健師、助産師、看護師又は准看護師の数が7以上であること(サテライトに配置している看護職員も含む)。当該職員数のうち6については、常勤職員のみの数とし、1については、非常勤看護職員の実労働時間を常勤換算し算入することができる。

() 機能強化型訪問看護管理療養費2

ア 常勤の保健師、助産師、看護師又は准看護師の数が5以上であること(サテライトに配置している看護職員も含む)。当該職員数のうち4については、常勤職員のみの数とし、1については、非常勤看護職員の実労働時間を常勤換算し算入することができる。

参照(現行制度):訪問看護ステーションの基準に係る届出に関する手続きの取扱いについて(保医発03054号 平成3035日)

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000203039.pdf

【訪問看護】リハ職による訪問看護の評価が適正化

リハビリ職が多くを占める機能強化型訪問看護ステーションでは、ターミナルケアの実施件数が少ないなど、必要な機能を果たしていない事例が多く見られることが指摘されていました。

そこで今回の改定では、機能強化型訪問看護管理療法費の人員配置基準に、「看護師等の6割以上が看護職員である」ことが新設されました<Point1

また、訪問看護基本療養費では、理学療法士などのリハ職による、週4日目以降の訪問看護の評価が見直され、5,550円(()の場合。現行は6,550円)に減算されることに<Point2>。

訪問看護計画には、訪問看護予定者と実施者の職種を明記することが必要となりました<Point3>。

Point1>機能強化型訪問看護管理療養費の算定要件、看護職員の割合を新設

【機能強化型訪問看護管理療養費】

          

   

[施設基準]

別添 届出基準

6 機能強化型訪問看護管理療養費

(1) 機能強化型訪問看護管理療養費1

(2) 機能強化型訪問看護管理療養費2

(3) 機能強化型訪問看護管理療養費3

看護師等の6割以上が看護職員であること。

※2021331日までを経過措置期間とする。

参照(現行制度):訪問看護ステーションの基準に係る届出に関する手続きの取扱いについて(保医発0305第4号 平成3035日)

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000203039.pdf

Point2>リハ職による週4日目以降の訪問看護の評価見直し

【訪問看護基本療養費()】

          

   

保健師、助産師又は看護師による場合(ハを除く。)

ロ・ハ (略)

理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士による場合 5,550

訪問看護基本療養費()についても同様。

参照(現行制度):訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法の一部を改正する件(平成30年厚生労働省告示第48号)

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000196327.pdf

 

Point3>訪問看護計画書に看護予定者・実施者の職種を明記

 

【訪問看護管理療養費】

          

   

[算定要件]

理学療法士、作業療法士及び言語聴覚士(以下「理学療法士等」という。)が訪問看護を提供している利用者について、訪問看護計画書及び訪問看護報告書は、理学療法士等が提供する内容についても一体的に含むものとし、看護職員(准看護師を除く)と理学療法士等が連携し作成する。また、訪問看護計画書及び訪問看護報告書の作成にあたっては、指定訪問看護の利用開始時及び利用者の状態の変化等に合わせ看護職員による定期的な訪問により、利用者の病状及びその変化に応じた適切な評価を行うこととし、更に訪問看護計画書には訪問看護を提供する予定の職種について、訪問看護報告書には訪問看護を提供した職種について記載すること。

 

参照(現行制度):訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(平成3035日 保発03053号)

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000203038.pdf

 

まとめ

在宅医療については、小幅な見直しとなった2020年度診療報酬改定ですが、在支病の往診担当医師のオンコール待機が可能であることが明言されるなど、在宅医療のニーズが高まる今、届出のハードルが低くなるかもしれない-そんな変更となりました。また、訪問看護については、リハ職が多くを占める事業者の評価が適正化され、質の高い看護を提供する方針が示されました。新制度が始まる4月以降、どのように変化していくのでしょうか。要注目です。

 

<参考文献>

厚生労働省:中央社会保険医療協議会 総会(第451回) 議事次第

https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000193003_00002.html

 

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